理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-107/139page

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図2
熱と仕事の関係をもとめる

(2)注射器の断面積〔S〕とピストンの質量〔M〕を測定しておく。

(3)注射器のピストンをゆっくり動かす直前の最大摩擦力を測定しておく。〔F〕

(4)ビーカーの中に,水をフラスコが没する程度に入れ,スタンド上にのせ,アルコールランプで加熱できるようにする。また,そのときのビーカー内の水温を測れるよう温度計をセットする。

(5)注射器ピストンの質量 M= ×10−3〔kg〕
  注射器の断面積     S= ×10−4〔m2
  摩擦力          F= ×10−3〔kgw〕

(6)図2のように,装置をしっかり組み立てる。測定誤差を小さくするためには,フラスコに直接注射器を固定した方がよい結果が得られる。
 V1≫△V

(7)注射器のピストンが軽く均一に動くするようにする。
 (注射器内の空気を 1ml 程度にしておく。)

(8)状態Aのときの体積V1〔m3〕,水温TA〔K〕,圧力P1〔N/m2〕を求めておく。

(9)状態Bは,体積V1のまま,水温TB=TA+△TB〔K〕,圧力P2〔H/m2〕を求める。(30゜程度の温度上昇)
 P2はPl+F〔N〕/S〔m2〕 Fはバネ秤の読みから求めることになる。

(10)状態Cは圧力P2のままにして,Tc=TB+△Tc〔K〕にし,その体積V2を求める。(10゜程度の温度上昇)
後の処理において(V2−V1)を求めるので始めから差△Vとしてもよい。

(11)状態Dは,体積をV2に保ち,徐々に放熱し,バネ秤をAの状態まで徐々にもどしながら,圧力がP1になったときの温度TDを読みとる。

(12)状態Aまでに放熱し体積が V1 にもどったときの温度が最初と同じであるか確かめる。(放熱の時間がかかるので,一様に水温が下がるよう,湯と水を入れかえてもよい。)体積は,実験後に水を入れてメスシリンダーで測定する。(図3)

図3
  体積 温度 バネ秤の読み 圧力
A V1 TA O P1
B V1 TB F P2
C V2 TC F P2
D V2 TD O P1

5 考察

(1)各行程における熱の出入りを求める。(mol 比熱としての扱い)

 A→B  QAB=Cv(TB−TA)

 B→C  QBC=Cp(Tc−TB)

 C→D  QCD=Cv(TD−Tc)                 〔Cal〕

 D→A  QDA=Cp(TA−TD)  ∴ΣQ=(Cp−Cv)(TA−TB+TC−TD)


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