理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-108/139page
(2)各行程における力学的仕事を求める。
A→B WAB=0
B→C WBC=P2(V2−V1)
C→D WCD=0
D→A WDA=P1(V1−V2)
注:分銅をのせた場合はピストンと共に,位置エネルギーの増減も計算に入れて考えさせた方がよい。
∴ΣW=(P2−P1)(V2−V1)〔J〕
(3)ΣQ の式に,空気の Cv, Cp を理科年表より見て代入し,値を求めよう。
(4)ΣW の値を求めよ。
(5)(3)と(4)の値を比較する。単位もそろえてみよう。
(6)このことからどんなことが言えるか。
(7)マイヤーが実験した当時,知られていた値は次のようであった。
Cp=0.267〔cal/g・K〕
{ Cv=0.188〔cal/g・K〕
空気の密度0゜のときζ=0.0013〔g/cm3〕
当時の値を用いて熱の仕事量 J の値を求めよう。
Qp=Cpζ=0.267×0.0013=3.47×10−4〔cal/K・cm3〕
Qv=Cvζ=0.188×0.0013=2.44×10−4〔cal/K・cm3〕
W=P・△V=1.013×105×1/273×10−6=3.60×10−4〔J/K・cm3〕
J(Qp−Qv)=WからJを求めると当時の値がわかる。
J=W/(Qp−Qv)=3.5
(8)ΣQを理想気体の状態方程式を用いて展開してみよう。(気体の比熱を mol 比熱で表わすとよい)
ΣQ=ΣWのとき
Cp−Cv=Rになることがわかる。これをマイヤーの法則とよんでいる。
(9)誤差を防ぐ方法として次のような装置にしてはどうか,といった工夫をしてみよう。
(生徒から出されると思われる方法例)(図4)
(10)実験データ例とその処理
◎測定するもの
1)注射器ピストンの質量 M=25.0×10−3〔kg]
2) 〃断面積 S=2.50×10−4〔m2〕
3) 〃摩擦力 F=5.0×10−3〔kgw〕
4)気圧Pl=1013mb 気温TA=293.0〔K〕
=1.034kgw/cm2
=1.013×105N/m2
図4