理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-110/139page

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3 化学の基本法則と原子・分子説

1 ねらい

 理科1で学習した,化学の基本法則である定比例の法則・倍数比例の法則・気体反応の法則について,検証実験を通してはっきり理解させたい。また,このような法則がどのようにして発見され,原子の立場でどのように説明され,考えられていったかを歴史の流れにそって学習させることをねらいとする。

2 近代原子説以前の原子説

 問1 原子説をはじめに唱えたのは,古代ギリシャの哲学者レウキッポスといわれ,その考えが弟子デモクリトスに継承されたと考えられている。どのような考えであったか調べよう。
 問2 アリストテレスはデモクリトスの原子説を認めようとしなかった。どのような論拠で反論したかを調べよう。
 問3 デモクリトスの原子説はその後どうなったか調べよう。

 デモクリトス(B.C420年頃)は,すべてのものを分割していくと最終的にそれ以上分割できない粒子(アトム)に到達する。そして,物質は原子と空虚(無=真空)との空間からできており,原子の種類は無限に存在し,大きさ・形・重さなどを異にし,新しく生成したり消滅したりすることのない永久不変のもので,その結合・分離によってさまざまな現象が生ずるという古代原子説を唱えた。
 アリストテレスは空虚(無=真空)の存在を認めず,物質は無限に分割できるものでありアトムのような微粒子は存在しないと主張しデモクリトスの原子説に反論した。その反論の論拠の一つに空虚(無)が存在するという論理はおかしいと攻撃した。
 古代・中世を通じ,学問の世界における絶対的な権威をもっていたアリストテレスによってデモクリトスの原子説は葬り去られ,細々とエピクロスやルクレティウスによって受け継がれたが,トリチェリの真空の生成やドルトンの原子説の出現まで日のあたる場に出てこなかった。

3 原子説の確立

(1)定比例の法則(1799年)

 問1 例を上げて定比例の法則を説明しよう。
 問2 ブルーストはどのような材料を用いて,どのようにして定比例の法則を発見したかを調べてみよう。
 問3 ブルーストの考えに対してベルトレはどのような考えをもっていたか調べてみよう。
 問4 ブルーストとベルトレの間では激しい論争がなされ,ブルーストの勝利に終った。どのようなことからブルーストの考えが正しいとされたか調べてみよう。

 ブルーストは銅・スズ・ニッケル・コバルトなどの酸化物や硫化物,炭酸銅,他の化合物を製造・分析し,天然に存在する物質も人工的に製造した物質も,物質が純枠であるならば「一つの化合物における成分元素の重量比は一定である」と主張した。
 ベルトレは,物質を製造するときその材料の量の割合を変えれば,どんな割合でも化合する。つまり,


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