理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-113/139page
結果
CuCl CuCl2 試料+秤量びん(g) 34.54 31.91 試料+秤量びん(g) 31.56 28.98 時計皿(g) 18.43 19.21 時計皿+銅(g) 20.37 20.60
CuCl CuCl2 試料(g) 2.98 2.93 銅(g) 1.94 1.39 塩素(g) 1.04 1.53 Cl/Cu 1.86 0.91 (Cl/Cu)CuCl:(Cl/Cu)CuCl2 2:1
4 分子説の確立
(1)気体反応の法則(1809年)
問1 例を上げて気体反応の法則を説明しよう。
問2 ゲイ・リュサックはどのような実験から気体反応の法則を発見したか調べよう。
問3 水素2体積と酸素1体積から水蒸気2体積を生ずる実験事実を,ドルトンの原子説で説明してみよう。そして,どのような矛盾が生ずるか述べなさい。
ゲイ・リュサックは,水素と酸素から水が生成される時の水素と酸素の体積関係を実験より求めた。次いで,塩化水素とアンモニア,酸化窒素と亜酸化窒素の反応時の気体の体積関係を調べ,「反応または生成する気体の体積間には,簡単な整数比が成立する」ことを発見した。
また,ベルトレが行なった窒素と水素よりアンモニアの生成,デーヴィーの窒素と酸素より亜酸化窒素牛成の実験結果などから,ゲイ・リュサックは気体反応の法則を発表した。
水素 + 酸素 → 水蒸気
ゲイ・リュサックは,気体反応の法則がドルトンの原子説に対する証拠となるのではないかと考え,水素2体積と酸素1体積から水蒸気2体積を生ずる実験事実をドルトンの原子説で説明しようと「すべての気体は同じ容積中に同数の原子を含んでいる」という仮説のもとに,上記反応の説明を試みた。1体積中に1原子,1複合原子が含まれているとすると,水蒸気◎○の酸素原子を半分にしなければならなくなる。つまり,ドルトンの原子説に矛盾が生ずることとなり,原子説の修正が必要となった。ドルトンは,自分の原子説を確信していたので,自分の誤ったデータを示し,気体反応の法則を認めようとしなかった。
〔実験〕 気体反応の法則の検証
目的 水素と酸素より水が生成される時に,水素2体積と反応する酸素は1体積であることを確認させる。
方法 簡易ユージオメーターに水素と酸素を入れて点火し,反応した気体間の体積比を求める。なお,京都市青少年科学センター・山内新平氏の考案の気体発生装置および簡易ユージオメーター(第13回東レ理科教育賞受賞作品集 P71)は,装置の製作も操作も簡単で,危険性もなく良い結果が得られ,個別実験の教具として適当と思われるので参考にされたい。