理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-114/139page
(2)アボガドロの分子説(1811年)
問い ドルトンの考えも,またゲイ・リュサックの気体反応の法則も否定せずに成立させるには,どのような考えが必要であるだろうか。
アボガドロは,ドルトンの原子説を発展させて分子の概念を導入し,ゲイ・リュサックの気体反応の法則を明快に説明した。
前記水素と酸素の反応において,酸素原子が半分にならないように考えるには,1体積中に2原子が結びついた1つの分子が存在すると考えた。酸素2原子で1分子が1体積中に,水素2原子で1分子が1体積中に存在する。つまり「すべての気体は,同温・同圧で等体積中に同数の分子が含まれる」と仮定した。
2体積つまり2分子の水蒸気が生ずるためには,水の1分子を水素2原子と酸素1原子より成る粒子であると考えざるをえなくなった。
ドルトンの原子説も,ゲイ・リュサックの気体反応の法則も否定せずに成立させるには,分子の概念が必要で,アボガドロは1811年「アボガドロの仮説」として提唱した。
水素+酸素
水素+酸素→水蒸気