理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-117/139page

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 ア 亜鉛板(無処理)
組数 起電力 電流(豆球接続) 点燈の有無 組数 起電力 電流(豆球接続) 点燈の有無
1 0.92V 132mA × 5 4.80V 210mA
2 1.92 160 ○× 6 5.7 230
3 2.92 175 7 6.5 240
4 3.83 195 8 7.2 250

 ※ ×印点燈せず  ○×点燈して消える  ○継続して点燈


 イ 亜鉛板(処理:塩化水銀(2)で表面をアマルガム化)
組数 起電力 電圧 電流 組数 起電力 電圧 電流
1 1.05V 0.30V 150mA 5 4.80V 1.47V 2.50mA
2 2.10 0.64 175 6 5.80 1.60 2.60
3 3.10 0.93 205 7 7.0 1.78 2.80
4 4.09 1.21 230 8 8.0 1.95 2.95


 ウ 改良した電池
  (ア)6%過酸化水素水(1つのセルに加えた量:10ml)

組数 起電力 豆球接続時
電圧 電流
1 1.03V 0.95V 210mA
2 2.00 1.65 280
3 3.06 2.51 330


  (イ)5%重クロム酸カリウム液(1つのセルに加えた量:10ml)
組数 起電力 豆球接続時
電圧 電流
1 1.04V 0.97V 210mA
2 2.01 1.72 290
3 3.10 2.70 360


  (ウ)乾電池の減極剤を使用
組数 起電力 豆球接続時
電圧 電流
1 1.16V 1.09V 2.20mA
2 2.27 2.01 3.10


  (エ)5%希硝酸で湿めらせたガーゼ使用
組数 起電力 豆球接続時
電圧 電流
1 0.98V 0.46V 1.75mA
2 1.92 0.91 2.10


 4)考察

  ア 無処理の亜鉛板を用いても,電池の数を多くすると,豆球を接続したときに,かなりの電流を継続して流すことができる。このことから,ボルタの電池発明以後,融解による電気分解を行って,多数の元素が発見されたことが理解される。
  イ 亜鉛板を処理して,局部電池の形成を防ぐと,電池の効率が良くなることが理解できる。ただし,ボルタはこのことには気付いていなかった。
  エ 減極剤を使用すると,かなり長い時間一定の電流をとりだすことができる。特に,乾電池の減極剤を用いた場合は,豆球接続直後 290mA の電流が,15分点燈後においても 272mA を保つことができた。なお,重クロム酸カリウム液を用いた場合は,たえずかくはんしないと,豆球点燈時の電流がすぐに低下する。上記実験結果はかくはんさせながら測定したものである。


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