理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-120/139page

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 5)自作の電量計を用いた電気分解第二法則の検証
  ア 実験方法の概要
    塩化スズ(2)の溶融電解,硫酸銅溶液,硝酸銀溶液の電気分解を行い,自作電量計に一定の気体が発生したときに生ずるそれぞれの金属の質量を測定する。次に銀の原子量に対応する,スズ,銅の量を算出し,それぞれの原子量と比較する。
  イ 実験方法
   (ア)塩化スズ(2)の溶融電解
     ア)白金線電極を自作し,陰極側の電極の質量を測定する。
     イ)磁製皿に試料をとり,簡易マッフル炉の上にのせて融解し,自作電量計に接続して電解する。(結晶水を完全に蒸発させた後に電解を開始する)
     ウ)電量計の液面が10cm低下したら電気分解を中止し,陰極側の電極を十分水洗した後,乾燥し,秤量する。
   (イ)硫酸銅,硝酸銀の電気分解
     ア)硫酸銅については,電気分解第一法則の検証の場合と同じように実験する。
     イ)硝酸銀を電気分解するときは,陰極側によくみがいた銀板,陽極側には自作の白金線電極を用いる。0.1M硝酸銀溶液を電解液として電気分解し,電気分解終了後,銀板を水洗した後,乾燥し秤量する。このとき,硫酸銅の電気分解のときと同様,電気分解中の電流が大きくならないよう,銀の付着の様子を見ながら調節する。
   ※ (ア),(イ)の実験はそれぞれ3回ずつ行い,平均を実験結果とする。
  ウ 実験結果の例と考察
電解生成物 電解生成量 銀の原子量に対する比 原子量より算出したグラム当量 銀に対するモル比
スズ 42mg 55 59 0.46
23 31 32 0.48
81 108 108 1
 
   それぞれ3回の実験結果より,一定の電気量に対する電解生成物の量はそれぞれの物質に固有のものであることがわかる。また,電解生成物の量はそれぞれの物質のグラム当量に比例することも確認できる。

(6)電気分解の理論の発展
 1)ファラデーの考えた電気分解の理論をまとめる。
 2)電離理論確立の過程を,グロトウス,ヒットルフ,コールラウンシュ,アレニウスの業績を通してまとめる。


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