理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-123/139page

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 プリストリーの実験から,ガラス鐘内でのローソクの燃焼には限度があること,ネズミは窒息することがわかった。ローソクやネズミが空気を「毒する」こと,さらに動物による空気の有毒化をもどす方法が自然界に存在するにちがいないこと,もしそれがなければ,自然界のバランスがくずれてしまうはずであると考えた。
 この実験結果は,結局植物体から,物質が燃焼する時に必要な気体即ちラボアジェの命名した「酸素」が発生したことであり,動物の呼吸にもこの気体が必要であることを示したのである。

(3)光の存在
 インゲンハウスは,光合成に関するプリストリーの実験を追試した。彼はプリストリーの見逃した重要な発見をしている。

 インゲンハウスの実験(1779)
 ふたにぎり程のマメの葉を1ガロン(3.785l)のびんに入れ,逆にして一夜机の上においた。翌朝,ローソクはその中で燃えなかった。次に,そのガラスびんを日のあたる場所に9時から12時までおいた。今度はローソクは,その中でよく燃えた。

(問) プリストリーが気付かなかった重要な発見とは何であったか。
(問) インゲンハウスの実験は,光合成研究にとってどんな意味をもっているだろうか。

◎プリストリーの結果は明るいときにのみ有効である。
明るい←ガラス鐘→暗い
   明(↑光)            暗

 「植物はこの浄化したシャワーを絶えず注いでいる。これは大気中にちらばり,人間生活にとってより好ましいように大気をかえる。この作用はいつもきまって行われているのではなく,太陽が地平線上に現われた後にのみ始まり,その影響によって動物に利益となるはたらきを新たに開始するよう植物に準備させる。この作用は夜の暗い時はやめる。植物のこの作用は一日の終りに近づくにつれて減少し,日没で全くなくなる。この役目は植物全体でなされるのではなくて,葉やそれを支えている緑の茎によってのみ行われる。すべての植物は,夜または昼間でも日蔭のところでは周囲の空気を汚す。すべての花は,昼も夜も同じようにかなり周囲の空気を悪化させる。土中からとった根は,いくらかの例外はあるが同じことをする。しかし,一般に根はいつでも同じような有害な性質をもつ」     インゲンハウス

(4)二酸化炭素の存在

 セネビエの実験(1783)
 植物とローソクと水酸化ナトリウム水溶液をガラス鐘内に入れ,日光にあてる。数時間後,レンズで太陽光線をローソクにあつめたが,ローソクは燃えなかった。

(問) どうしてローソクは燃えなかったのだろうか。
 プリストリーの行った実験と異なる点は,ガラス鐘内に水酸化ナトリウム水溶液が入っていることである。


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