先端技術をとり入れた理科(物理領域)に関する教材・教具-007/47page

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以上のエネルギーにまで育ったことになる。

(3)教材・教具の位置

 ここでは、前項の「ディ」の役割りについて述べることになろう。「ディ」は「学習項目・内容」や、「教材・教具」を経験レベルと思考レベルに分けて、整理系統化することである。これには、その教科のもつ学問的領域を体系化(註1)することと共に、その領域を学習指導要領に沿って位置づけ、学習意欲をもって更にエネルギーを「とりこむ」活動へと発展させるために、教材・教具を精選したり、開発したりすることになる。
 特に、筆者の活動領域である物理に限定して述べるならば、生徒の生活経験や、既習事項の知識の大部分は、生徒の頭の中で体系づけられていない状態で学習するわけである。これを学習によって体系づけ、必要な場合に必要な知識を、すぐにとり出すことができるようにしてやらなければならない。そのためには、

 (ア)問題把握と問題内容の理解

 (イ)仮説の設定

 (ウ)検証の方法と検証結果の検討

 (エ)結果の処理と仮説との対比

 (オ)一般化

 のような手順をふませ、更に(ア)ヘフィードバックさせて、閉じたサイクルにすることが重要になる。〔図〕
「学習項目・内容」や、「教材・教具」を経験レベルと思考レベルに分けて、整理系統化すること

 筆者がこれを図に示した理由は、生徒たちが法則や公式を記憶し、答えることができるように訓練されていても、それは学習内容が「わかった」ことにはならないと考えるからである。本当に「わかる」こととは、「自然科学というものがどのように自然を理解しているか」がわかるということであり、それによって、「自分はどのような行動をし、何ができるのか」がわかることであると考えるからである。
 したがって、教材・教具も科学の方法をふまえた教育的価値を十分考えた上で精選したり、開発をおこなったりして検討しなければならないと考えるのである。
 また、教具については、原理がよく説明できるものであるか?科学の方法を身につけ得るものであるか?学習意欲をそそるものであるか?など、種々の効果を検討した上で決定されるものであると考える。

3.連続した発想能力を高めるための教材・教具

 教材・教具の開発視点としてこれをとり上げたのは、前述のとおりである。学習したこと、またはさせたことに関しての知識・理解・技能ともに、パターン化したシステム思考になれて、創造的思考が弱まったといわれているからで


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