先端技術をとり入れた理科(物理領域)に関する教材・教具-009/47page

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発想能力をつんでしまうことになろう。

実験装置分類表

学習内容 開発装置
及び教具
観察 実験 測定 記録
A O YES NO NO YES
B P NO YES YES NO
C Q NO YES YES YES
D R YES YES YES NO
E S NO YES NO NO
F T NO NO YES YES


(3)実験は、ある見通しのもとに条件を制御して、いくつかの事象間の因果関係などの情報を収集する。
 情報収集の手順や、方法を考え出させることのできる実験装置を用意したい。註12
 実験装置は、生徒一人一人が作成し実験することが理想である。中学校や高等学校でも、小学校の実験教具などを大いに参考にしたいものである。(1)のところに述べたものが多数考案されている。

5.教材・教具開発の方向

 先端技術の開発によるコンピューターの発達は、固体物理が生み出した成果である。
 これを取り入れようとすれば、教育用装置は量産する程の需要がないために高価である。だから、学習にこの成果を生かしこむためには、ICデバイスを自分で料理することを考えなければならない。面倒だといって、従来の装置で実験したのでは、精度も悪いし大がかりである。しかし、装置は高価でも、自分で設計作成すれば、市価の1/20の価格で、しかも市販されていないユニークで高精度の測定装置や、実験装置が誕生する。
 筆者が研究や実験をしていたころ、教授の言われたことを思い出すのである。「研究は他人が手がけていないことを対象にする。だから、実験装置はできていないのだ。自分の研究に必要な装置は、自分で設計し作り上げるのが当然なのだ。」これは、開発しながら研究を進めることを科学研究者に求められたのだと思う。教師も同じような努力が必要なのである。
 さて、マイコンの利用を考えてみよう。機能から考えるとCMIには適しているが、前述の科学の方法を、段階的に身につけさせるには不向きのようである。それは測定機能を全く持っていないためである。
 したがって、測定部のセンサ・インターフェイスの開発が必要になる。ここでは、教師のハードウェアに対する技術が要求されてくる。一方、ソフトウェアでは、グラフィックやアニメーションの機能を生かす方法がある。この場合、提示のし方として、OHPより効果的かどうか?コンセプトフィルムによる提示よりも直接科学に迫るものになっているか?などの検討が必要になる。CAIとして用いる場合には、教師の科学的態度が問われるものとなるので、ゲーム的なものに終わらせない研究が必要である。
 次章以下に述べる事例は、コンピューター用ICを用いて開発したものである。以下に記す方針で検討した。

 (1)原理に忠実で精度が高く、繰作が簡単で、生徒の知的興味が引きだせること。

 (2)多用途で学習の場面に連続的に活用できること。


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