先端技術をとり入れた理科(物理領域)に関する教材・教具-011/47page
第二章 センサーとアナログ技術による教材・教具
1.絶対温度目盛温度計(中・高)
NEC upc616Aを用いて作る。これは1degごとに10mVを単位として出力し、精度もよい。温度センサー部は、PN接合ダイオードの順方向電圧が絶対温度に比例する性質を用い、更にオペアンプで補正し、電源も定電圧で与えるよう、すべてMETAL CAN内に収納してある。
このセンサーの測定できる温度範囲は、実験の結果233K(−40℃)〜400K(127℃)が安定であり、400K以上では使用できない。
0℃のときの出力電圧は2.73V、100℃のときの出力電圧は3.73Vである。電圧計で測定する場合はなるべくインピーダンスの高いものがよく、テスター(最小電流目盛0.5mA以下のもの)でも使用できる…………〔図1〕
せっ氏目盛にしたい場合は〔図2〕のように接続し、20℃で調節するとよい。従来のサーミスタ温度計とは比較にならぬ正確さである。
若干熱容量が大きいので、温度の指示に時間的おくれがでるのは止むを得ない。
後に述べるデジタル電圧計に接続すると、見易い表示で測定できる。マイコンに接続してもよい。
〔図1〕
〔図2〕
〔図3〕