先端技術をとり入れた理科(物理領域)に関する教材・教具-012/47page

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2.照度計(小・中)

 シーメンスのTFA1001Wを用いて作る。
 フォトダイオードや、フォトトランジスタ、CdSなどは、電圧変換の直線性が悪く、センサーとして難点がある。
 そこで、1001Wは小型(4mm角)で、フォトダイオードに補正回路が集積されていて、5000LXまでリニアである。しかも、出力電圧が2000LXでは2.0V、3000LXでは3.0Vというようになっていて便利である。〔図4〕〔図5〕

〔図4〕
照度計

R1R2の値を変えることにより読みの倍率を変えることができる。但しR1+R2>1KΩが望ましい。

〔図5〕

照度計


3.人体などから放射されている赤外線の強さを調べる装置(小・中・高)

 人体のような、温度の低い物体から放射される赤外線の波長は、6〜15um程である。温度が高くなれば当然エネルギー放射の最大波長は短くなってくる。
 そこで、村田製作所のIRA-FOO1Pを用いて、装置を作成する。有効波長は1〜20umということである。これは、集熱形と呼ばれ、コンデンサー電極の間に、強誘電体の結晶がある。この結晶は、赤外線が照射されるとダイポールに乱れが生じ、両電極板の電荷密度が変化する。この変化の際に、Rに電位差を生じる。我々が欲しいのはこの部分であるが、この製品は、高抵抗とFETが組みこまれているため、赤外線を変化させて読みとらなければならない。FET(トランジスタ)はインピーダンスを低くして、他の測定器に接続できるようにしてある。赤外線が照射された時、キャパシティが減少し、電子が正極板側に移動し、照射が終わると逆の過程をとる。従って、出力は照射量変化のときに発生することになる。キャパシティの変化は、赤外線量にほぼ比例するので、一定時間々隔で赤外線を通過させるようにすれば、出力を交流電圧として読みとることができる。〔図6〕
物体の温度が、36℃程度のものを検知・測定するときの出力電圧の変化は、lmV程度である。従って、増巾し、更に直流電圧としてとり出すように、平均化してやらなければならない。そのための回路全図を示す。なお、効率を高めるには、センサーの窓にレンズをつけるなどして、赤外線の受光面を大きくすれば、大巾に感度を上げることができる。


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