先端技術をとり入れた理科(物理領域)に関する教材・教具-023/47page

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第三章 デジタル技術による教材・教具

1.プリンキーによる運動の記録(小・中)

 プリンキーとは、ある一定の時間々隔で光を出させ、運動を視覚でとらえたり、写真に撮って、解析したりするときに用いる発光装置をいう。
 ここに上げたのは、デジタルICのうちで用いる頻度が多く、しかも100円以下という値段の安さと、デジタルの論理を最初に学ぶのに適しているNANDゲート用ICを用いたものである。
 周波数が0.1HZ〜1KHZ程度の発振をさせる場合は、TTLでは安定に動作しないので、CMOS ICを用いた方がよい。筆者の実験では、東芝のTC7400BP、ナショナルセミコンダクタの74COO、モトローラの4011などがよくはたらいてくれた。
 プリンキーとして用いる周波数は10HZ〜50HZ程度がよい。回路は、この範囲で発振するよう、C、Rを決めておいた。周波数をこれより低くする場合はCの値を大きくするか、Rの値を大きくするかになるが、Rの値は100KΩが限度であったので、Cを大きくするようにする。TTLを用いる場合、Rの値が1KΩ程度以下でなければ発振してくれない。従ってCの値が100uFなどの大容量のものになり、コスト高となる。
 Rを一定、Cを10倍にすると周波数は1/10程度になり、Cを一定、Rを10倍にすると同じく周波数が1/10程度になるので、それぞれ安定な発振をするよう値を決める。

〔図1〕

NANDゲート用IC

LEDを2個つけると交互に点燈する。このプリンキーを台車などに乗せて動かすと、一定時間で点滅するので、動きを調べるのに便利である。
 若干基礎的なことがらに触れると、MANDゲートは、+3.3V〜5.0VがHで論理“1”、+1.4V以下はLで論理“0”

MANDゲート

という。今、1)が“1”のとき、2)にLHLHの順でパルスが加わったとき、3)にはHLHLと逆相の出力が得られ、1)が“0”のときは 2)にパルスが入っても 3)は“1”のままになっている。すなわち、1)が“0”のときは信号は出力しないのである。また、同様のはたらきをするNORゲートがある。これは、前と逆に 1)が“1”のとき通過できないということ


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