平成9年度学力到達度調査研究-011/62page

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(6) 授業改善に向けて

これからの国語科の授業では,児童が自分の思いや願いを自分の言葉で考えたり表現したりすることで,児童自身が言語の力を伸ばしていけるように改善しなければならない。そのためには,教師は今までの教材や指導方法を見直し,児童自身が書きたい,話したいという願いの持てる授業に変えていくことが要求される。また,その中で,基礎的な言語の力をつける指導の充実についても工夫することが必要である。

今回の調査では,以下の4つの中領域が全国平均を下回っていることが明らかになった。

修飾・被修飾の理解や主述の理解 (90) (大領域「言語事項1」)

語の構成と成り立ち  (98) (大領域「言語事項1」)

書いた文の見直しと叙述の工夫  (99) (大領域「表現」)

漢字の読み書き  (99) (大領域「言語事項2」)

これらの領域は,自分の思いや願いを自分の言葉で考えたり表現したりしようとするときに使われる能力に,深く関わっている。文の構成を考えたり,漢字を活用したりできなければ,相手に自分の考えや気持ちを声や文字を通して正確に伝えることがむずかしくなるからである。

文の構成を考え漢字を活用する力をつけるために,従来は,取り立て指導や練習学習的な指導に重点が置かれ,児童の思いや願いを十分に生かすという観点が不足していた。今後は,児童自身が分かりやすい文章にしたいという願いを持って推敲したり,漢字で表現することのよさやおもしろさを知って文章表現に役立てたりする学習を大切にすることが必要である。これらの学習につなげるためには,日ごろの物語文や説明文の学習で,主語と述語が照応することによって文の意味が正確になることを自覚させたり,新出漢字の読み方や意味を考える学習を授業の展開の中に位置付けたりするきめ細かな対応が重要である。

そこで,ここでは,「修飾・被修飾の理解や主述の理解」と「書いた文の見直しと叙述の工夫」の中領域から,全国比が低い小間を例にとり,考察し,その領域に関する指導の要点について述べる。

1) 「修飾・被修飾の理解や主述の理解」の指導

ア 小問例 (平成7年度全国比64,平成9年度全国比64)

次の文の―線を引いたことばは述語です。「主語」を一つ選び,その記号を書きなさい。

太郎は、 弟と  二人で  魚つりに  行った。
 ウ  エ

イ 考察

主語,述語は,第3学年までに重点的に学習する内容である。単に,文の中における主語や述語を理解させるだけでなく,主語と述語の関係が照応することによって,文の


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