平成9年度学力到達度調査研究-012/62page

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意味が正確になることを押さえさせる必要がある。

【資料1】の小問1の解答率を見ると,半数近くの児童が「主語」の概念を理解していないことが分かる。また,小間2のように,述語の直前にある言葉を主語として選ぶ傾向があることが分かった。

このことから,主語,述語の概念を正確にとらえさせた上で,主語と述語の関係が文の基本であることを児童に明確に意識させる指導を工夫する必要がある。

【資料1】 (「平成8年度調査」より)

次の文の―線を引いた言葉は「述語」です。その「述語」に対する「主語」を一つずつ選び,その記号を書きなさい。

1  さち子は  ハンカチを  見つけた。
 ア  イ

2  それから  しばらくして  わたしは  小鳥を  にがしてやろうと  思いました。
 ア  イ  ウ  エ  オ

小問 解答分類 解答率(%)
1 ア さちこは(正答) 50.9
イ ハンカチを 48.5
その他 0.6
2 ウ わたしは(正答) 40.3
オ にがしてやろうと 33.9
エ 小鳥を 13.5
イ しばらくして 9.4
ア それから 2.3
その他 0.6

ウ 指導の要点

○ まず主述関係の理解の実態をとらえよう文の多くは,主語と述語だけでできているわけではなく,それらのほかに「だれと」,「なにを」,「どのように」などの関係を示す語が入り交じっているのが普通である。また,主語が省略されている文も多い。したがって,これらの複雑な文章の中で,主語と述語の関係を児童が明確にとらえることができるような指導が必要である。

そのためには,【資料1】のような簡単な診断テストを作成し実態をとらえるようにしたい。指導に当たっては,文節の少ない文から,重文,複文,主語が人物(生物)以外の文というように,文節数を次第に増やしていくなどして,段階を追いながら児童が無理なく理解できるような配慮が必要である。

○ 文章の述語に着目させよう

主語と述語の関係を文の構成の基本的なものとして意識させる指導は,さまざまな教材で取り上げることができる。主語と述語の関係をとらえる力は,物語文においては登場人物の行動を正確に読み取る力となる。

例えば,次の文章は,「大造じいさんとガン」の中で,残雪とハヤブサとの戦いを表現したものの一部である。速い場面展開を意図したためか,主語が省略されている。


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