平成9年度学力到達度調査研究-015/62page
【資料3】 (見本作文を利用した推敲の学習例)
1) 右の文を提示し,クイズ形式で「いくつの漢字が間違っているか」や「『多』と『大』の意味の違いは何か」について
2) 間違っていると思われる漢字について意味や使い方を辞書で調べる。
3) 小グループに分かれて,互いの文章を漢字を中心に確かめる。
今よんでいる本の種類について、みんなにアンケートをとってみました。一番大いのが物語で十八人、伝記は六人でした。
教科書の巻末には,今までに習った漢字がまとめて載せてあることが多い。自分が使った漢字についてその都度巻末の漢字一覧表の該当漢字に自分で印をつけるなどさせると,自分が使った漢字の量も視覚的にとらえることができ,漢字を使おうとする意欲を育てることができる。
○ 短作文の支援のステップを工夫しよう
児童が自分の発想や感受性を生かし,短作文で適切に表現できるための支援を工夫したい。まず,書く内容について発想が膨らむように,事前に短作文のテーマに沿って児童同士が話し合う時間を確保すると効果的である。
従来の短作文指導においては,児童が提出した短作文を教師が感想を添えて返却し,それをもって学習を終了することが多く,それぞれの表現のよさを学級で共有することが少ないように思われる。そこで一歩進めて,次のような支援を工夫したい。
1) 児童が提出した短作文に助言を添えて返却する。
2) 児童は短作文をグループで読み合い,よさを見つけあう。
3) 児童は,話し合いをもとに,自分の短作文を見直して清書する。
4) 清書した短作文を展示コーナーに掲示する。
なお,1)〜4)の各段階で,教師はその都度「文字・表記に関すること」や「構成に関すること」など視点を決めて,それぞれのよさを認め,励ますなどして,自分の書いた文章をよりよいものにしようとする児童の意欲を喚起する工夫が必要である。
《参考文献》
文部省「小学校資料」 「指導計画の作成と言語事項の指導」 ぎょうせい (1980) 国語教育研究所編 「国語教育研究大辞典」 明治図書 (1988) 市毛勝男・須田実・野口芳宏編 「楽しい国語科授業アイデア集成/楽しい漢字の指導」 明治図書 (1993) 国語教育研究所編 「作文指導技術大事典」 明治図書 (1995) 市毛勝男著 「作文の授業改革論」 明治図書 (1997) 総合初等教育研究所編 「教育漢字の書きの習得に関する調査と研究」 文溪堂 (1997)