平成9年度学力到達度調査研究-021/62page

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(6) 授業改善に向けて

算数科の目標は,算数の知識や技能を身に付けることや算数を生かして考える力を育てること,算数を活用していく態度を身に付けることである。また,日々の算数の授業では,児童自らが今までに学んだ基礎的・基本的な事項をもとに,新たな問題に積極的に取り組み,自ら考え判断し表現するという,児童の主体的な学習活動をもとにしながら展開していく指導が望まれる。

全国比90未満の中領域は以下にあげるもので,いずれも大領域「量と測定」に属していることからも,この大領域の指導に重点を置く必要がある。

割合のくらべ方と表し方 (80) (大領域「量と測定」)

およその大きさと平均 (82) (大領域「量と測定」)

いろいろな図形の面積 (89) (大領域「量と測定」)

量の概念は,測定という具体的な操作を通して理解されていくものである。測定という技能の習得と同時に,結果に対する大まかな見通し(概測)をもって考えを進めていくなど,目的に即した測定ができるような指導の展開が必要である。

そこで,「量と測定」の指導においては,他領域にもまして具体的な活動や問題解決学習を積極的に推し進めることが大切である。そのためには,具体的操作活動を取り入れたり,児童の知的好奇心を喚起する問題作りや問題提示を工夫したりするなどの配慮をしていきたい。さらに,児童自らが既習事項を活用して自力解決をし,多様な考えを比較検討しながら,よりよい考えを見つけようとする態度を育てることが重要である。

そこで,ここでは上記の中領域から,全国比が低い小問を例にとり,考察し,その領域に関する指導の要点を述べる。

1) 「割合のくらべ方と表し方」の指導

ア 小問例「単位量当たりの数量」 (平成7年度全国比73,平成9年度全国比81)

次の表は,ア,イ,ウの3台の自動車について,走った道のりと使ったガソリンの量を調べたものです。ガソリン1L当りで走れる道のりが一番長いのは,ア〜ウのどの自動車ですか。1つ選びその記号で答えなさい。

  走った道のり(km) 使ったガソリン(L)
700 50
800 60
900 70

イ 考察

「単位量当たりの数量」の学習は,速さや人口密度のように2つの異なった量の組み合わせでとらえる数量の学習であり,加法が適用されない性質を持っていることからも


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