平成9年度学力到達度調査研究-031/62page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

(6) 授業改善に向けて

これからの国語科の授業では,生徒一人一人が体験や思考と結びついた言葉を通して,発表したり相手の意図を理解したりする力をつけることが重要である。そのためには,作文や話すこと・聞くことといった表現活動の場を重視し,個に応じて言語事項の定着を図る指導が必要である。

今回の調査では,以下の3つの中領域が全国比90を下回った。特に,国語科の基礎となる言語事項である「単語の活用の理解」と「語句についての知識・理解」が,十分身に付いていないことが明らかになった。

単語の活用の理解 (84) (大領域「言語事項1」)

語句についての知識・理解 (85) (大領域「言語事項2」)

ものの見方や考え方・心情の理解 (89) (大領域「理解」)

一方,「意識調査」において「国語の学習」で「こうしたいと思っていることがあるか」という質問に対して,「ある」と回答した生徒は約7割であった。「こうしたいと思っていること」を具体的に調査した結果が,【資料1】である。

これによると,「漢字を覚えたい」,「言葉を覚えたい」,「文法を身に付けたい」などの言語事項に含まれる内容の割合が高いことが分かった。

【資料1】 こうなりたいと思っていること(2年) (「意識調査」より)

【資料1】 こうなりたいと思っていること(2年)

漢字や言葉や文法などの学習においては,生徒の言語事項に対する関心を生かし,表現や理解に役立つ力をつける授業の工夫が大切と考える。そのためには,単元の指導計画を見直し,授業のどの場面で漢字や文法の力をつけるのかを把握するとともに,個別指導などを工夫し,生徒一人一人の力を伸ばす指導が必要である。

ここでは,「単語の活用の理解」と「語句についての知識・理解」の中領域から,全国比が低い小問を例にとり,考察し,その領域に関する指導の要点について述べる。

1) 「単語の活用の理解」の指導

ア 小問例


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。