平成9年度学力到達度調査研究-034/62page
これらのことから,漢字学習については単に読める段階にとどまらず,実際の文脈の中で自ら使えるように,用例指導にも力を注ぐ必要がある。
【資料3】 (「平成8年度調査」より)
次の文のカタカナの部分を漢字に直しなさい。
1 その話は、キセイの事実です。
2 正体不明のボウガイ電波が入る。
小問 解答分類 解答率(%) 1 既成(正答) 5.5 音だけ合っている字 17.7 同音異義語 8.1 字形が不正確 2.4 その他 4.8 無解答 61.5 2 妨害(正答) 11.6 部首が異なる字 58.5 字形が不正確 4.3 その他 4.3 無解答 21.3
ウ 指導の要点
○ 振り返って学習する機会を作ろう
年間や単元を見通し,学習した漢字について振り返って学習する機会を作りたい。
例えば,単元終了後にひとつ前の単元の漢字について簡単な診断テストを行い,生徒一人一人が自分の忘れてしまった漢字について確認できるようにしたい。その際,教科書の巻末にある漢字の一覧表を利用し,覚えて使えた漢字には,印をつけておくようにする。この活動を続けることで,生徒一人一人が自分で使える漢字を目で確かめることができ,自分自身の力を自覚して学習を進めることができる。
○ 用例指導を中心として新出漢字の指導を工夫しよう
新出漢字の指導のめやすは,学習前は正しく読めること,学習中は意味が分かること,学習後は正しく使えることが目標となる。新出漢字は教科書の欄外に示され,単元末には学習する漢字の読み方が出ているので,生徒はこれらを参考にすれば読めると考えられる。また,意味については,国語辞典などを利用して調べた内容を,学習中に文脈に即して読み取ることもできる。しかし,習った漢字について多くの用例に出会い,漢字の多面的な意味を知る機会は
【資料4】
文 語句 意味 漢字 ○家康の壊柔策。
○小学校時代を懐古する。
○祖父の形見の懐中時計。○懐中時計
○懐古
○壊柔1)ふところ。 ふところにもつこと。
2)心にいだくこと。 なつかしく思うこと。 思い。
3)手なずけること。懐 読み 音 かい
訓 なつかしい筆順 部首 (略) りっしんべん 画数 16画