平成9年度学力到達度調査研究-054/62page
(6) 授業改善に向けて
英語科においては,コミュニケーション能力の育成が重視され,基礎的なコミュニケーション能力やコミュニケーションヘの積極性の育成を目指す授業が行われてきた。今後は,より実践的コミュニケーション能力を身に付けることの指導に重点を置く必要がある。そこでは,「どのような場面で,どのような内容を,どのような表現を使って表すのか。」を関連させて理解し,学んだ表現を具体的な場面で活用できるように,実際に使用する経験を重ねながら習得していくことが求められている。
今回の調査において,全国比が低い中領域を順に4つ取り上げると以下のようになり,「話すこと」と「書くこと」の力の育成が必要であることが明らかになった。
聞き取って適切に応答すること (86) (大領域「話すこと」)
正しく強勢で応答すること (89) (大領域「話すこと」)
正しいアクセントで応答すること (93) (大領域「話すこと」)
語順を考えて適切な文を書くこと (93) (大領域「書くこと」)
指導に当たっては,「音声から文字へ」の順序を基本にして,コミュニケーションが必要とされる言語活動をさせ,その中で,生徒が英語を「学びながら使い」,「使いながら覚える」ような工夫をしたい。特に,「話すこと」の指導においては,「聞くこと」と関連させた指導を工夫し,また,「書くこと」の指導においては,「聞くこと」や「読むこと」と関連させ,指導をより総合的なものにしたい。さらに,3年間を見通して,どの学年でどのレベルまで達成させるのかを明確にし,段階を追って指導できるような対応が望まれる。
そこで,ここでは,「話すこと」と「書くこと」の大領域から,全国比が低い小問を例にとり,考察し,その領域に関する指導の要点について述べる。
1) 「話すこと」の指導
ア 小問例 ( )内の数字は全国比。平成7年度,平成9年度の順。
1 テープを聞いて答えなさい。
(男の子3人が泳いでいて,ケンが一番速いという絵が与えられている)
Who swims the fastest? {ア He is Ken. イ Ken does. ウ Ken is.} (62,65)
2 テープを聞いて答えなさい。(質問に答えるとき最も強く発音する語を選ぶ)
Do you like watching basebaIl?
No. I like playing baseball. (86,86) ア イ ウ エ 3 次の単語を発音するときに一番強く発音する部分はどこですか。
really
{ re al ly } (78,76) ア イ ウ