平成9年度学力到達度調査研究-055/62page

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イ 考察

【資料1】は,前ページの小問1に関して調査したものである。ア・イ・ウ(Kenが含まれる答え)を選んだ生徒の合計は94%を占めていて,質問文の意味とその答えは分かっているが,「答え方」が分からないということが言える。具体的な使用場面や状況を設定し,文脈を意識して英語を使わせる中で,「通じること」を実感させるとともに,「正確さ」を要求する部分も設定し,これらのバランスをとった指導が求められる。

【資料1】 (「平成8年度調査」より)

絵を見て,英語の質問に対する答えをア〜力の中から1つ選び記号を○で囲みなさい。

Who swims the fastest of the three?

資料1

ア He is Ken.

イ Ken does.

ウ Ken is,

工 He is Tom.

オ Tom does,

力 Tom is.

解答分類 解答率(%)
イ(正答) 33.2
55.4
5.4
5.0
0.5
0.5
無解答 0

小問2は,「見るのが好きか」と質問されたのに対し,「するのが好きだ」と答える場合なので,「する」を表すplayingに強勢を置くということが理解されていないために,正答ウを選べない例である。また,小問3は,語のアクセントの位置があいまいなため正答アを選べない例である。文の強勢が表す意味や日本語との発音等のしくみの違いなどを意識させ,学習指導要領に述べられている「発音,語のアクセント,文の音調,文の区切り,文の強勢」を正確に身に付けさせる必要がある。

ウ 指導の要点

○ 生徒が表現内容を意識して練習する方法を工夫しようコミュニケーション能力の育成を図るためには,自分が何を言おうとしているのかという表現内容を意識させた練習が必要になる。その際,視聴覚機器の活用や,ペア学習の工夫などが大切であり,次のような例が考えられる。

・VTRで2人の対話の映像を流し,それに合わせて英語で話せるようにペアで練習させ,最後に,映像に合わせて発表させる。内容を意識して練習させることによって,場面と内容と表現が結びつき,話す力の育成につながる。

・対話教材を一人語りにして発表させる。一人が「話し手」,他方は完全に「聞き手」となって練習させる。「ひとりごと」ではなく,聞き手を意識した「語りかけ」きであることに注意させる。SpeechやShow&Tellに発展させることができる。

○ インタラクションを活用しよう

クラスルームイングリッシュやスモールトークを通して,生徒に,英語が通じることを実感させたい。教師や友達の英語を聞いて理解したり,自分の言いたいことを教


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