実践のための学校教育相談ハンドブック-010/083page

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(2) 学級担任に求められる教育相談

児童生徒は,学級の一員としての「存在感・所属感」が持て,自分の居場所が確認できて初めて安心感が得られます。担任は,そうした環境を保障する,最も身近な「援助者」である必要があります。担任とは,他の教師のだれよりも心を許せる人間関係にあれば,一人一人の心のサインがとらえやすくなり,行動を多面的に見ていくことができるようになります。

学級担任が行う教育相談には,次のような利点があります。

学級担任が行う教育相談の利点

○ 児童生徒一人一人の毎日の学校生活の様子が把握できる。
○ 児童生徒の理解を深め,多くの情報を得る機会を持つことができる。
○ 学級集団を母体とした様々な活動を通し,児童生徒一人一人を育てる推進者となることができる。
○ 保護者と直接連携を図り,共に目標や方向を目指すことができる。

また,学級担任が行う教育相談には,次のようなことが求められます。

@ 学業(学習)相談をすべての児童生徒を対象に行う
児童生徒にとって,学習の結果わかったりできたりすることは,学校生活の大きな願いの一つです。学習の仕方や習慣など,具体的な学業(学習)の相談は,教育相談の大きな比重を占めるべきものです。一人一人の児童生徒を対象に積極的に行いたいものです。

A 進路相談をすべての児童生徒を対象に行う
進路相談は,単なる進学,就職といった「振り分け」「出口」の相談ではなく,それぞれの校種での発達段階をふまえながら,将来への生き方・在り方など自立への援助として幅広く考えていきたいものです。その意味で進路相談は,いわば人生の針路の相談です。「育て・伸ばし・深め・高め・生かす」を基本に,児童生徒一人一人の資質,能力,可能性を最大限に伸長・開花させてやりたいものです。そのための教師の適切な情報の提供,サポート


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