実践のための学校教育相談ハンドブック-012/083page
(3) 教科担任等に求められる教育相談
小学校と比べて中学校や高等学校では,各教科や部活動などを通して,複数の教師が一人の生徒にかかわる機会は多くなります。教科担任は,単に教科や専門分野を「教える」ことだけでなく,一人一人に目を向け,学習に対する興味・関心・意欲をどう引き出すかが,児童生徒とのかかわりのポイントになります。
まず,児童生徒と「共に学ぶ」立場に立ち,主体的な学習活動を生み出すために,授業における,「考える」「わかる」「やる気を起こす」「協力し合う」などに視点を当てて,指導や評価などの全般にわたって,様々に創意工夫したいものです。また,担任とは別の立場で,教科担任・部顧問等だからこそできることがあります。一人の学級担任のとらえ方や見方に偏ることなく,複数の教師がそれぞれの立場から得た情報を交換することによって,児童生徒を様々な角度から理解し,多面的なかかわりを持つことができるようになりたいものです。
教科担任等に求められる教育相談には,次のようなものがあります。
教科担任等に求められる教育相談
○ 授業等に対する熱意や専門性,前向きな指導姿勢が児童生徒からの信頼を得る。
○ 一人一人のつまずきに目を向けた個別の配慮が,児童生徒の授業等に対する参加意欲を高める。
○ 放課後の個別のアドバイス等,授業以外の場面でのふれあいが児童生徒との人間関係を深める。
○ 学級担任の立場ではとらえきれない視点からの見方,かかわり方をする。このように,教科担任等ならではの立場から,ふだん学級担任には見せない児童生徒の姿があることを押さえ,一人一人を生かすかかわり方に心がけたいものです。