実践のための学校教育相談ハンドブック-013/083page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

(4) 養護教諭に求められる教育相談

児童生徒は,保健室に悩みや不安を身体的な症状として訴え,来室することがあります。児童生徒にとって,成績などの評価をしない立場にあり,開放感や安らぎの雰囲気を備えた保健室にいる養護教諭は,心許せる大切な存在です。

養護教諭に求められる教育相談には,次のようなものがあります。

養護教諭に求められる教育相談

○ 児童生徒の問題傾向を早期に発見し,身体的要因を吟味する。
○ 必要に応じて,学級担任・教育相談係・生徒指導主事等へ連絡と助言をする。
○ 児童生徒に対し,健康上の問題に関する相談的役割をする。
○ 専門機関との連携をアドバイスしたり,窓口の役目をしたりする。

健康診断保健室は,健康診断の情報や日常の救急処置,欠席や遅刻などの生活情報も入り,心身の健康問題の早期発見と初期対応ができる場所です。養護教諭は,健康問題を科学的に観察し,判断し,処理することのできる専門家です。

日ごろから,学級担任とはもちろんのこと,教育相談係や生徒指導主事等とお互いの教育観や考え方を認め合いながら,情報交換・連絡調整を密にして,信頼関係を深めておきたいものです。また,校内の連携にあっては,管理職・学年主任等の配慮を得て,養護教諭が各種会議・学年会等でいつでも発言でき,共通理解を図ることができる校内態勢を確立しておきたいものです。

養護教諭は,児童生徒に悩みがあって何か話したい時など,「一時的な避難所」や「心の居場所」になれるような魅力的な保健室の運営にあたりたいものです。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育資料研究会に帰属します。
福島県教育資料研究会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。