実践のための学校教育相談ハンドブック-018/083page
満を持っているのかもしれません。勝手な感想を入れるということは,発言をよく聞いているということですから,まずそのことを認めます。次に,発言の出番を保障します。発言後に,「○○さんの発言に関連して,何かないですか」と言葉をかけるとよいでしょう。
また,討論の場などで「△△さんの意見は〜」と反論させるより,「私は〜と考えます」の「"私"メッセージ」を使うようにすると,発言の中への中傷が少なくなるでしょう。
年度当初に,発表の仕方・聞き方についてのルールづくりも必要です。
2 学級経営に生かす
資料1(振り返りカード)
振り返りカード
年 組 氏名1 この時間を振り返って,自分の気持ちに一番近いところに○をつけましょう。
(1)「ジャンケン列車」をやってみてどうでしたか。
・楽しかった・まあまあ楽しかった
・あまり楽しくなかった・楽しくなかった(中略)
2 今日の活動の中で気付いたこと感じたこと,感想などを自由に書きましょう。(略)
(1) グループ・エンカウンター 〜人間関係をつくる・深める〜
教育効果の高い学級集団には,「温かな人間関係」と「ルール」が両立しています。そんな学級集団の育成に,開発的な指導援助としてのグループ・エンカウンター(Encounter=本音と本音の交流)が有効な教育活動になります。
グループ・エンカウンターには,エクササイズとシェアリングという柱があります。「エクササイズ」とは,子供の思考,感情,行動を刺激し,本音の自分,ありのままの自分が出しやすいように組み立てられた課題のことで,自己理解,他者理解,自己受容,自己主張,信頼体験,感受性の促進をねらいとしています。
このエクササイズの中での心の動きを振り返ったり,体験後,今ここで感じていることを表現することを「シェアリング(振り返り)」といいます。
自分の体験を言語で表現することによって気付きや感情をはっきり意識することができます。また,友達の体験を聞くことにより,他者との共通点,自分の独自性がわかり新たな気付きが促されるとともに,学級の友達との一体感が生まれ,温かな人間関係が築かれます。その際,「振り返りカード」(資料1)を使用