実践のための学校教育相談ハンドブック-033/083page
2 地域や関係機関は遠い存在か (1) 内から外への発信
学校が地域と連携していくためには,まず,教職員の校内連携が,さらに幼・小・中・高の校種間においても連携が図られていることが必要です。その上で教職員が学校の外に対して,次のような努力をしていくことが肝要です。
・学校を理解してもらうために,学校の考え,様子をたえず伝えていく
・地域からの児童生徒に関する情報を受け入れ,誠意をもって対処する
・施設と人材(地域のスポーツ,文化活動の指導者)を相互に交流するそのためには,「内から外への発信」を行うための機会や場を設ける等,人と情報とが行き来するような工夫が大切となります。
その一つは,保護者や地域関係者との交流の場を意図的に設定することです。運営にあたっては,保護者の希望,地域の抱えている問題を的確に把握しておき,その中から,話題やテーマを絞り,話し合いができるようにし,学校・教師が積極的に話し合いに参加していきます。
もう一つは,自治会や子ども育成会等,地域の各種組織・団体が,お互いの情報を交換できる連絡会や交流会を活発化することです。学校・教師が地域を身近な存在,援助者としての認識を持ち,積極的に地域,関係団体へ支援していくことで,地域や団体は青少年の健全育成に果たす役割を認識し,連携組織として,児童生徒に直接・間接的にかかわるようになっていきます。
(2) つなげる関係づくり
児童生徒の問題行動の中には,学校や保護者の指導の限界を越えるような例も多くなり,専門機関での早期の教育相談,受診・治療などを求めていく機会が増しています。児童生徒の立場に立ち,関係機関との連携を適切に進めていくために,これからは,次の共通認識と取り組みが大切になります。
・専門機関についての情報を収集し,その特徴や利用法を理解しておく
・専門機関とのパイプづくりをしておく
・学校として「できること,できないこと」をはっきりさせておく