実践のための学校教育相談ハンドブック-039/083page

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等の「すくみ反応」の有無がポイントになります。

すくみ反応が顕著に見られる場合は,「神経症的タイプ」と考えられるため,しばらく登校刺激を控え,登校しようとしてもできない本人の気持ちに添った働きかけを行うとともに,親に対しては本人が話しやすい環境づくりや本人のペースを大切にした援助をどのようにするかを一緒に考えるようにします。状況に応じて医療機関や相談機関とつながりをもち,その後のかかわりの方針を見定め,対応するようにします。

一方,すくみ反応がない場合は,「怠学傾向タイプ」と考えられるため,本人の様子を見ながら働きかけをすることが大切です。無気力型の場合,一時的に登校することがありますが,長続きしないケースが多く見られます。

また,遊び・非行型の場合,反抗的な態度を示すことが多いという特徴が見られます。いずれの場合も,根気強く,丁寧に働きかけを続けていくことが鍵となります。

頭痛や腹痛などの身体症状が現れる「神経症的不登校」では,特に,各時期において次のような対応が大切になります。

 混乱期 ;軽い登校刺激(学校の話をする・登校を促す)を与えた時,すくみ反応が現れるかどうかを確かめます。もし現れたら登校刺激を控えます。児童生徒の内面は傷つき,揺れ動いている状態なので,感情的対応は避け,本人の話にじっくりと耳を傾けます。

 他罰期 ;家族や学校に反抗したくなる気持ちを受け止め,心の安定を図るようにします。できるだけ本人の意思や判断を尊重するとともに,家庭内暴力がある時は,保護者との連絡を密にしながら家庭を支えます。

 自己洞察期 ;散歩や買物等,自分の意思でやろうとしたり,それに向かって動いたりしていることを認め,自信をもたせるようにします。リラックスした雰囲気の中で楽しく話をしたり,一緒に活動したりしながら交流を図ります。

 自己実現期 ;登校に対する本人の気持ちを確かめながら,様々な形での変則的登校や段階的な登校など弾力的な方法を経て,再登校できるようにします。無理をせず,ゆっくり,できることからやるようにしていきます。


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