実践のための学校教育相談ハンドブック-044/083page
7 中途退学 〜何が中途退学へ向かわせるのか〜 (1) 何が中途退学へ向かわせるのか
高等学校では,中途退学は,依然大きな問題です。その理由は,調査等から次のような点があげられています。
○ 高等学校卒業の資格がないと困るので,希望どおりではなかったが,自分の成績で合格可能な学校に入学した。 ○ 入学した学校は,自分が考えた高等学校のイメージと違い,雰囲気や校則等に馴染めなかった。 ○ 授業が難しくついていけない,部活動等に打ち込む気にもなれなかった。 ○ 校内に心を打ち明けて話せる友人がいなかった。 ○ よく話を聴いて,相談にのってくれる先生がいなかった。 ○ 家庭では気持ちが落ち着かず,退学について十分相談できなかった。 決して単一なものではなく,様々な要因が複雑に絡み合っていますが,中途退学防止の手がかりを考える上で重要です。
(2) 中途退学予防のために
入学時の指導の徹底高校入試という試練を乗り越えて入学した生徒たちは,希望や期待とともに,不安や緊張が高く,高校入学時の指導の徹底は,最重点事項です。具体的には,生徒指導部や教育相談部が中心となって,組織的・計画的に,次のような手だてや配慮をきめ細かに行います。
@ 入学時のオリエンテーション
学校の概要,高校生活や学習・部活動,卒業後の進路等へのオリエンテーションを行い,高校生活への目的意識の高揚と適応を図ります。A 早期の個別教育相談
高等学校には,これまで以上に多様な考え方をする生徒が入学するようになっています。学校特有の校則や校風等に,馴染めない生徒の不安や高校生