実践のための学校教育相談ハンドブック-057/083page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

(3) 学習障害(LD)児の早期発見のために

学習障害(LD)児の早期発見のため,学習面や行動面で見られる特性をあげてみます。
 ○ 一つのことに短い時間しか集中できない。
 ○ 鏡文字を書く。形の整った文字を書くことが苦手である。
 ○ 知能検査では全般的な知的発達に遅れがない。
 ○ ボール運動や鉄棒などで手足の動きが不自然である。
等が見られます。詳しくは,PRSスクリーニングテストや心理検査(WISC―V知能検査,ITPA言語学習能力診断検査等)を実施して,認知・行動の問題を含む,一人一人の特性をよく知ることやどのようなつまずきがあるのかをしっかりとらえることが大切です。

(4) 学習障害(LD)児への基本的なかかわり

学習障害(LD)児への基本的なかかわりとしては,以下のようなことが考えられます。

できることを見つけ,具体的にほめる。
得意な面を伸ばし,やればできるという気持ちを育てる。
困難のある能力を補うための教材を用いる。(例えば,書くことや計算が困難な場合には,ワープロや電卓など本人の取り組みやすい機器の活用を図るなど)
本人の学力レベルや学習スタイルに合わせる。(個別的配慮)

学習障害(LD)児の多くは通常の学級に在籍していることから,学校全体の支援体制づくりが必要です。さらに,担任が上記のような特別の配慮をしてかかわることと併せて,T・T(ティームティーチング)の活用を図ることも重要です。

通常の学級以外の場における指導は,放課後等の時間外の個別指導や学習指導室などの特別な場での指導が有効です。なお,学習障害(LD)児への対応は相談機関や医療機関と連携してかかわることが特に求められます。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育資料研究会に帰属します。
福島県教育資料研究会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。