実践のための学校教育相談ハンドブック-059/083page

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ADHD児への基本的なかかわり(3) ADHD児への基本的なかかわり

ADHD児は,「みんなと同じに」がとても不得意です。しかし,
 ○ 新しいことに興味を示しどんどん挑戦していく。
 ○ 興味のある活動には驚くほどの集中を示す。
 ○ 感覚が鋭敏で,他の子供が気付かない変化や小さなことに気付く。
等の得意な面やよい面も見られます。

大切なことは,子供の思いや特性を理解して,それに応じてかかわることです。ADHD児への基本的なかかわりとしては,以下のようなことが考えられます。

できること,好きなことに着目し,ほめたり,認めたりする。
よさを見つけ,興味・関心を生かせるようにする。
1対1の関係を大切にする。
刺激を少なくする環境づくりをする。(小人数だと落ち着ける)
社会での基本的なルールを繰り返し教える。
いけないことをした時は,その都度簡潔にわかりやすく教える。
感情的になった時は,気持ちが落ち着いてから,子供の気持ちをじっくり聞いてやる。

もちろん,校内での連携も大切にし,かかわっていきたいものです。

ADHDの原因については,脳に何らかの障害があって起こると考えられていますので,「子供の努力不足」だととらえて,厳しく叱責したり,説教したりしないようにしたいものです。また,親は自分のしつけが悪かったのではないかと思い悩んでいる場合が多いので,教師はその心境を察し,親を支える援助も必要です。専門医による薬物治療が,本人の症状を改善させることもあります。服用の効果や副作用(不眠,チック症状の出現,食欲不振など)も一人一人違うようです。このようなことからも,医療機関との連携が欠かせないことは言うまでもありません。


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