実践のための学校教育相談ハンドブック-074/083page

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「実践のための学校教育相談ハンドブック」発刊に寄せて

並木通やぎうちクリニック院長 柳 内  務


1980年代になって,児童精神医学が扱う対象が拡大し,アプローチの改変を迫られるようになった。私は,1982年に福島県立医科大学を卒業し,神経精神医学講座に入局し,その変化を目の当りにしてきた。
例えば,摂食障害の急増と発症年齢の低年齢化,中学生の発病が目立ってきた精神分裂病,全体的に各年齢で増加してきた強迫性障害やうつ病性障害である。また,受診者が増加する注意欠陥多動性障害と自閉症を中心とした発達障害や出生児童数の減少にもかかわらず,増える不登校などである。

更に,特記しなければならない事が二つある。一つは,DSM-WやICD10に示される新しい疾患体系と疾患分類の登場,もう一つは生物学的精神医学の急速な発展である。その中で,1996年に福島市内に並木通やぎうちクリニックを開業し,又その頃より教育センターでの学校カウンセラー(中級)講座の講義も受け持った。

学校教育現場での児童精神医学を学ぼうとする多くの方の知識の基礎となり,手引きとして,「実践のための学校教育相談ハンドブック」が広く読まれ役立つ事を期待したい。
最後に,「実践のための学校教育相談ハンドブック」作成に参加させていただき感謝の意を表したい。

(学校カウンセラー(中級)講座講師・嘱託精神衛生指定医)


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