研究紀要第23号 幼児教育の研究 公立幼稚園における心身障害児の実態調査および人物画テストによる性格診断の考察 - 005/015page

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(4) 心身障害児の実態の考察

 表3は,調査の対象となった幼児数と発達遅滞や情緒障害の幼児数を集計したものである。

 各年の保育児数の割合をみると,1年保育児数は,5,784名で75.3%,2年保育児数は,1,850名で24.6%,3年保育児数は,48名で0.6%である。この調査からは,1年保育が極めて多いということになる。

 幼稚園から発達遅滞あるいは情緒障害と思われる幼児をあげていただいたが,客観的な心理テストに基づいたものでなく,日常観察の結果判断されたものである。したがって,この数字は,大体のすう勢や傾向をとらえるものとして利用されたい。

 ○発達遅滞児
 本県公立幼稚園における発達遅滞児の出現率は,約1.54%であり,男女の差では男児が女児の約1.58倍になっている。これは,男児の行動が目につくために多くあらわれるためか,現在の段階では明確に判別できなかった。

 ○情緒障害児
 この出現率は,約1.06%で高率となっている。このことは,情緒障害についての概念が,はっきりは握されていないことに問題があると思われる。

 したがって,今後情緒障害について研究を深め,再度の調査を実施していくことが必要であろう。

   3.心身障害児の実態調査数

 
県北
県中
県南
会津
南会
相双
いわき
合計
1.調査幼稚園数

49

27
7
10
0
13
9
115
2.園  児  数
  1年保育児数
  2年保育児数
  3年保育児数
    計
               
3,129
1,338
356
172
 
470
319
5,784
149
104
272
408
 
512
405
1,850
0
0
0
48
 
0
0
48
3,278
1,442
628
628
 
982
724
7,682
3.発達遅滞児数
22
18
9
4
 
14
6
73
15
12
5
2
 
10
2
46
37
30
14
6
 
24
8
119
4.発達遅滞児出現率(%)
1.12%
2.08
2.22
0.95
 
2.44
1.10
1.54
5.情緒障害児数
21
9
7
4
 
11
2
54
11
9
5
0
 
3
0
28
32
18
12
4
 
14
2
82
6.情緒障害児出現率(%)
0.97%
1.24
1.91
0.63
 
1.42
0.27
1.06

(注) 発達遅滞児および丈著障害の出現率は、本県公立幼稚園からの報告に基づいて算出したものである。


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