研究紀要27号 児童・生徒の学習能力の発達 - 009/082page

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ある。また,「形や色で意味を表す」ことの理解を深めるため,道路標識のさし絵をのせている。((1)は」「(2)は」などのことばから4つのさし絵と関連づけて指導する必要がある。

〈第6段落〉
 この段落も1文1段落で,第7・第8段落をまとめており,頭括式のかたちをとっている中心段落である。
 「このほかにも」の「この」がなにをさすのか,「このほか」というのは,「この」がさしている事柄も含むのか含まないのか,あるいは,「このほかにも」というのは,第5段落と意味の上でつながっていることを表すものだなどということをていねいに指導することが大切であろう。

〈第7段落〉
 第6段落の例の一つとして算数の記号をあげている。したがって,1の文がこの段落の中心文となろう。しかし,3の文で,「ことばを使うよりも短く,一目で意味を取ることができる。」という記号の長所を述べている文にも目を向けさせる必要がある。

〈第8段落〉
 第6段落の2つめの例として地図記号を取り上げている。「また」という接続語から,第7段落と並列関係にあることがとらえられよう。
 この段落も,1の文が段落をまとめている中心文と考えられる。

〈第9段落〉
 「ところで」という話題転換を表す接続語によって,「記号」から「ことば」に話題が転じていることがわかる。ここでは,ことばが,「こみいったことや,むずかしいことでもよく表すことができる」と,その長所を述べているこの文を中心文としてとらえてよいのではないかと,思われる。

〈第10段落〉
 第9段落で,ことばの長所として述べたことが,実はことばの短所ともなることを1の文と2の文で述べている。段落の最初の「けれども」がそれを表す。そして,「このようなときには,必要なことが一目でわかる記号を使うほうがべんり。」と記号の長所を,ことばとの比較の上で述べている。
 この段落の中心文は3の文と考えるのが妥当であろうが,「このようなとき」という指示語が,1の文,2の文全体をさすので,結局,要点は,段落を要約したものになってしまいそうに思う。

表(1)記号とことば


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