研究紀要27号 児童・生徒の学習能力の発達 - 010/082page
〈第11段落〉
冒頭に「しかし」と逆接の接続語をもってきて,一転,記号の短所らしきことにふれている。この段落は,書き手の考えが表面に出てきており,文章をまとめるという意識もはたらいていると思われる。しかし,記号とことばの説明という本来的なものからは,ややはずれているように思われる。中心文としては,2の文が妥当であろう。A 児童観
〔前提調査〕
読解に関する諸能力について,次のねらいのもとに調査した。
○ 要点は握の際のつまずきとの関連をとらえる資料を得る。
○ 読解に関係する諸能力の実態をとらえ,要点のとらえ方との関連を見る。
○ 授業観察,分析等の参考資料を得る。ア、調査問題のねらい
設 問 ね ら い1 (1)〜(25)教材に提出されている既習,新出漢字,その他の既習漢字の読みの力を見る。 2 (1)段落の中心語句を読みとる力を見る。 (2)文章に書かれている事柄を読みとる力を見る。 (3)段落の中心文を読みとる力を見る。 (4)中心文をどのような観点から選び出すかを見る。 (5)述語から主語をつかむ力を見る。 3 (1)段落の前の方にある中心文を読みとる力を見る。 (2)段落の後の方にある中心文を読みとる力を見る。 (3)段落の中ごろにある中心文を読みとる力を見る。 4 一〜二指示語の指示内容を読みとる力を見る。 三接読語の理解力を見る。 四「まとめの文」を選び出す力を見る。 イ、調査対象 小学校3年児童 38 名
ウ、調査結果とその考察
(ア) 漢字の読み
表 1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 正
回
数 教
え
る 歌 鳴
き 売
る 交
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書
室 意
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2
3 ○
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× 16
24
15 正解
者数 33 37 36 36 36 32 24 35 37 36 38 36 36 38 36 36 33 36 35 29 33 13 29 20 25○新出 ●読みかえ