研究紀要27号 児童・生徒の学習能力の発達 - 014/082page

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うな操作方法になれさせること。
 3年生の児童は,まだ,はっきりした根拠を持たないまま,直感で中心文をとらえることが多い。そして,細部の具体的な事柄を重要なところだととらえやすい。
 一文一文をとらえ,それらの比較
検討の上で中心文を見い出すような方法を指導する必要がある。

(3) 指導計画

ねらい
学習活動・内容
指導上の留意点
1
「記号とことば」の
あらましをとらえさ
せる。
1.題名から内容を予想する。

2.どんなことが書いてあるかを考えながら
 「記号とことば」の全文を読む。
3.どんなことが書いてあったか話し合う。
4.書かれてあることがらによって3つの意味
 段落に分ける。
5.学習のめあてについて話し合い,学習
 計画を立てる。
6.むずかしい語句や漢字を調べる。
○題名は文章内容に深くかかわっていることに気づ
 かせる。
○大事だと思うことばに続をひきながら読ませる。

○各自自由に発表させ,それを整理していく中で3
 つの意味段落に気づかせる。



○新出漢字が多いので,事前に調べさせたり,小
 黒板にかいたりしておく。
2
記号とはどんなも
のかを読みとらせ
る。
1.3つの意味段落を確認する。
2.第1段落を読んで記号とはどんなもの
 か話し合う。
(1) 3つの形式段落に分ける。
(2) 形式段落ごとに,中心語句をおさ
   える。
(3) 3つの形鵡罐のうち大事な段落を
   考える。
(4) 段落相互の関係を考え,要点と例
   文の関係であることをとらえる。
○学習の手びきを参考に「記号とはどんなものか」
 を話題として読み進めさせる。


●要点とはどんなものかをよくわからせる必要がある。

●第1・2形式段落のまとめはむずかしいので語句を
 おさえる。
●尾括式であることに注意させる。
3
記号の例として,
何についてどう説
明してあるのか
読みとらせる。
1.第2段落を読んで1記号にはどんなも
 のがあるか調べる。
2.それらの記号はどんな意味を表すか
 読んでまとめる。
(1) 道路標識の表す意味を読みとり,
  要点をまとめる。
(2) 算数の記号で表わされた式の意
  味をまとめ,記号のよさを考える。
(3) 地図の記号がそれぞれ何を表す
  かまとめる。

●段落相互の関係から,要点と例文をとらえさせ,
 それが頭括式であることに気づかせる。


○さし絵と結びつけて,ことばとの比較による記号の
 よさを理解させるようにする。
○話し合いの際には本文をおさえながら話すように
 させる。
●段落の中の要点と細部に気づかせる。

4
ことばと比較させ
ながら,記号の
特長を読みとら
せる。
1.ことばと記号には,それぞれどんな特
 長があるかまとめる。
(1) ことばはどんなときに使うか。
(2) ことばの長所はどんなところか。
(3) 記号を使うのはどんなときか,また
  どこがべんりか。
(4) 記号を使り上で注意することはど
  んなことか。

●「ところで」から話題が変わったことに気づかせる。
 (接続語のはたらき)
●指示語・接続語が4つの文のはじめにあって密
 接につながっているので関連内容を表現に即し
 て正しく読みとらせたい。
○ことばとの比較のうえで記号の長所をとらえさせ
 る。

5
要点を確認させ
ると共に,題材
に出てきた記号
以外についても
調べようとする意
欲をもたせる。
1.全文を読み,大事なことをまとめて発
 表する。
2.ほかにどんな記号があるか,その記
 号はどん意味をもっているか発表する。

○記号とは何か,どんなものがあるか,どんな特長
 があるかなどについてまとめさせる。


○事前に調べておき,本時は整理・発表すること
 に中心をおく。

6
獲得した技能,
文字,語句の
定着をはかる。
1.技能,文字,語句の練習をする。
(1) この題材でねらった要点をつかむ
  練習。
(2) 語句の練習をする。
(3) 文字の練習をする。

2.学習のしかたについて反省する。
●頭括式・尾括式のちがいをよくわからせ,練習
 させる。
●要点のとらえ方を確認する。

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