研究紀要27号 児童・生徒の学習能力の発達 - 018/082page
られる。
「さしたり,言ったり」が,この段落における中心語句であることを考えると,こうした細かい点の注意も必要であった。D 第2段落の読みとり
T14 第2段落にはどんなことが書いてあるでしょう。
C の答え。
C29 図のようなはり紙があったらべんりだということ。
C30 もし,はり紙がしてあったらべんりだということ。(賛成)
T15 べんりだということは。
C31 はり紙がしてあると,はり紙のやじるしの方へ聞かなくても行ける。
T16 の最初に,「けれども」とあるが,どうしてかな。
C32 前とちがうことを言っている。
C33 と反対のことを言っている。
C34 では,きいたりしたけど,では,聞かなくても行けるから,
T17 そうすると,で「さしたり,言ったり」して教えた人の代わりをなにがやってるの。
C35 はり紙です。
C36 はり紙のやじるしです。
T18 で大事なことばは,どれでしょう。
C37 はり紙。
C38 やじるし。
T19 そうだね。で「さしたり,言ったり」したことの代わりをするのが,はり紙のやじるしだし,題目の「記号とことば」にも関係があるようだものね。
大事なことばを見つけるとき,何回も出てくることばに気をつけてみることもたいせつだよ。「はり紙」や「やじるし」は何回でてきているかな。
C39 「はり紙」は2回。
C40 「やじるし」も2回。
ここでは,の「さしたり,言ったり」して教えることに対して,「はり紙のやじるし」がその代わりをしていることを読みとらせる必要がある。そのためには,とは対立する関係にあり,それを表すことばが,「けれども」であることに気づかせようとした。(T16の発問)それに対して,C32やC33は,一般的な答えをいっている。「けれども」の一般的なはたらきは理解しているわけである。しかし,具体的にはどんな点で対立関係にあるのかということをとらえていたかどうかはわからない。C34のようにとらえられれぱいいのではないかと思う。
ここで,「つまり………」の文をどのようにとらえているかをひとり調べのノートから見てみよう。
「の大事な文はどれか。」という質問に対して,「つまり………」の文を選んだものは12名いた。その理由として,「つまり」がついているから,まえの方か後ろの方に大事な文があるから,まとめているようだからなどをあげている。これは,具体的な事柄よりも抽象的な事柄がまとめている大事な文だという意識が出てきたこと,接続語や段落の中の位置から大事な文を見つけようとしていることを表すものであろう。一方,の大事な文は,という問いなのにの「このように………」をあげていた者が何人かいたことは,段落意識がまだ低いことを表すことにもなる。が1文1段落であるために,一字下げを見おとしたのであろうか。
の大事なことばの続みとりについては,「はり紙」「やじるしJを選ぶ者が多かった。
では,そのほかに目ぼしいことばがないので,自然,そこに落ち着いたのかも知れない。E 第3段落と第1・第2段落の関係
T20 第3段落を短くまとめていうとどうなるかな。
C1 物事を表すしるしを記号という。(賛成)
T21 これは,「記号とはどんなものか」というきょうの課題に対する答えだね。
「このように」ということばは,どこをさしているのだろう。
C12 やじるしのこと。
C13 前に出てきたことをまとめていっている。