研究紀要27号 児童・生徒の学習能力の発達 - 019/082page

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C14 全部をさしている。
T22 そうだね。さしたり,言ったりして教える代わりに,やじるしでもわからせることができるというに書いてあったことをまとめて「このように」といっているんだね。「このように」がついている文は,たいてい,前の方に書いてあることをまとめていっていることが多いので,大事な文であることが多いのです。
   もそうです。
   さあ,一番はじめに大事な文として書き出した文と合っていますか。
C  (「合っている」「合っていない」など)
T23 記号とはどんなものかを説明するのなら,だけ書けばいいはずなのに,どうして,を書いているの。
C45 の「このように………」だけではくわしくないから。
C46 を少しくわしくしている。
C47 は,の例みたいなもの。
C48 は,こういうとき記号を使うということを書いている。
C49 は,のわけだから,がないと,が出てこない。
T24 の「記号とはこんなものだ」ということをわかりやすく説明するために,を書いたんだね。

 の抽象的な「記号」の定義を,の具体的な例とどう結びつけてわからせるかということは,かなりむずかしい。
 何をまとめて「物事」といっているのか,何をまとめて「しるし」といっているのかを具体的に対比して,そこから,「この抽象的な文が,中心文である」というふうに持って行く必要があった。
 「このように」ということばが,前に述べたことをまとめていることは知っているようだが,具体的にどれをさすかになると判然としないようであった。C42,C43,C44の発言は,それを表している。にもかかわらず,T22であっさりとまとめてしまったので,の関係をはっきりとらえられなかったのではあるまいか。
 「このように」のついている文は大事な文であることが多いことは,何人かの児童がおおよそ知っていたようであるが,要点をさぐる手がかりとして,ここであらためて教えた。

F 学習のまとめ

T25 きょう学習したことを整理しながら,読むのを聞きましょう。Aさん,大事なことばは少し強めて,からまでを読んでください。
C50 (朗読)
T26 きょう学習したことをまとめてみましょう。各段落の大事なことばは,どのようにして見つけたらよいでしょう。
C51 何回も出てくることば。
C52 題目に合ったことば。
T27 大事な文を見つけるときにはどんなとこころに注意して読めばいいでしょう。
C53 「このように」がついている文。
C54 段落の前か後ろにある文。
C55 まとめた文。
T28 たくさん勉強したね。「つなぎことば」や「さすことば」にも気をつけて,くわしい例をあげているところでない,まとめているところを見つけることだね。
   それでは,次の時間には,「記号にはどんなものがあるか」について調べていきましょう。

 学習の終わりは,中心語句や中心文を読みとる際には,どんな点に配慮して読めばよいかということについてまとめた。
 時間の関係もあっていそいだため,その項目をあげるだけで終わってしまった。児童は概念的には理解したかもしれないが,他の文章の要点を読みとる際に,生きてはたらく力となるかどうか疑問に思う。ただ,要点を読みとる手がかりとなるのではないか。

 授業は,このあと,指導計画のとおり進めたが,記録は省略する。


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