研究紀要27号 児童・生徒の学習能力の発達 - 057/082page

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減しないように努めた。

5.考  察

 この小数×整数という4年生の小単元を

○ 児童の発想や思考の流れをだいじにして指導する。
○ 児童たちに演算形式を見つけさせ定着をはかる。
○ 4時間の中で問題点を正していく。
○ 児童たちの見つけた算法を生かす。
・指導観より

という観点から指導してきた記録であるが,この記録から,結論というような断言するものがあるかどうか,また,言ってよいかどうか疑問である。
 それに,1学級だけ(僅か20人の学級)で,検証もなしの授業だけに,その不安も強く残る。

 @ 指導計画と児童の反応

 この小単元の指導時間を4時間とし(うち,まとめ1時間を含む〉児童の思考の流れを中心にすえて指導にあたってきたが,児童は,予想外に活動してくれた。(発言や思考は総じて低次元だったが)

第1時
 小数第1位の数×整数1位

○ 身近な問題からはいったため,児童の発想が,累加という意味におちついたことは,自由な考えで解く(調べる段階)に発展しやすかった。
○ 児童の自由な解き方では,この累加が多くの子に使われるかと思われたが,予想よりは少なかった。
 また,2×7という単位の換算をして計算する子も予想よりも少なかった。しかし,0.2×7という計算をしながら,頭では,2×7という換算の概念をふまえていたように思える。(第1時 みつける段階でのC6の発言参照)
○ この場合の子どもの意識は,小数の加法と乗法が一体となっているといえる。

  0.2×7=0.2+0.2………+0.2=1.4だから小数点をまっすぐおろす。

  小数×整数

 これを
「小数(0.2)を整数(2)にして,かけ,積(14)の単位を還元して,小数点をうつ(1.4)」
 という計算方法では,手間がかかり,おそくなるように思えたらしい。これは今までの指導の欠点があらわれてきたともいえる。それは,みつける段階で,子どもたちに,計算方法の発見のきめては「早く,正しく」という観点だったからである。
○ 小数x整数も,これを筆算形式にしたがって行うだけでは,考えたことには,ならない。

第2時
 数第1位の数×整数(2・3位)

○ 指導の記録の中でも述べたが,第1時のまとめで,本時の「整数(かける数)が,2位数,3位数になった場合」も同じように計算する。ということを指導すれば,かんたんにすむことであるが,それでは,どうして同じなのか。1時のまとめと次時の予告との関連はどうあるべきなのか。(教師側の問題)などが不明になるため,あえて,こういう段階を設定した。

○ しかし,この問題にある式(2.4×538.2×231)をどう計算するかということを「0.2×7と同じか」という問いかけでは,意味がわかりにくかったよ


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