研究紀要第29号 学習指導に関する研究 - 068/118page
登場人物をよみとる
5人全員をとらえたもの 13
4人 12
3人 11
一郎をよみおとしたもの 2
おしょうさんをよみおとしたもの 4
三次をよみおとしたもの 7
きよしをよみおとしたもの 19
まさおをよみおとしたもの 26
書かれていない人物をあげたもの 1
じろう 9
ひろし 8
ごろう 3
あきお 2
けんじ 1
よしお 1
こうじ 1
にじ 1
いちじ 1
たけし 1この童話に登場するのは,おしょうさん,一郎三次,きよし,まさおの五人である。全員をとらえたもの23%。登場人物のとらえ方が,かなり雑であることがわかる。
また,書かれていない人物,例えば,一郎がでているから,「二郎」もなどと,9名が書いている。ほかに,19名が書かれていない人物をあげている。
このようなことから考えると,一読したあとでも登場人物は,児童の頭の中に大して残っていないのである。ただ,おしょうさんと一郎がでていたことは,ほとんどとらえている。(2) つったっているときの おしょうさんの気持ち
つぎのような読みとりをしている。
ここでは
○ いちろうが,そっと手をのばしたこと。
○ 「こらっ。」
○ 大きな声
○ しょうじが ガラッとあく
○ うでまくり
○ つっ立っている。
などの,読みをもとにして,おしょうさんの気持ちを想像することになる。
つったっているときのおしょうさんの気もち
【1】 とると すっぱいぞ 6
【2】 まだとって だめだ 7
【3】 やめろ 1
【4】 みかんを とらせない 2
【5】 まだとらないでほしい 1
【6】 とるなというきもち 1
【7】 おこっている 8
【8】 もっとおこってやろう 1
【9】 ぶんなぐろうかな 1
【10】 どろぼう小ぞうめ 1
【11】 どろぼうのはじまりだ 1
【12】 あしたもくるぞ 1
【13】 またあの子どもたち くるのかなあ 1
【14】 秋になったら みかんくわせる 6
【15】 みかんが すきなんだなあ 2
【16】 しょうがないやつらだ 1
【17】 わるいきもち 1
【18】 へんなきもち 2
【19】 くやしい 1
【20】 つかまらなかった 1【1】〜【6】 みかんに対する子どもの行為を問題にしている。「こらっ。」ということばを主に考えている。
【7】〜【9】 おしょうさんは,「おこっている」のだというとらえ方。「こらっ。」から,後の方を主に解釈しているようである。【1】【2】【3】【10】【11】なども怒りの気持ちが含まれていると考えているのであろう。
【10】〜【11】は,「ぬすむ」ということに対しての気持ちである。