【14】〜【15】の8名は,怒りの気持ちより,「秋になったら,みかんくわせる。だからすこし待ちな。」のように推測している。書かれていることからの正確な読みではない。
【12】〜【13】 文から離れている。
【17】〜【20】 これも文から離れている。読みなおしをさせる必要がある。
○ 上記のような想像は,どのことばから,そのように、思ったのか調べてみた。
これをみると,子どもたちは,地の文より,会話文に強く引かれることがわかる。ところで,「こらっ。」ということばからは,「或る行為を止める。とがめる。怒っている」というような意味がでてくるので,そのようなことを想像しているのかと思うと,違うのである。次の表をみると,そのことがわかる。
【3】・【6】・【7】・【8】などが直接的な読みである。
【2】・【11】・【12】などは,ふさわしくない読みであろう。
ここでのおしょうさんの気持ちは,次の二つのうちの,どちらであると解釈すればよいのであろうか。おしょうさんは,本気になって怒っていると解釈するか,本気で怒っているのではなくて,おどすためにそのような態度を示しただけであると考えるかである。
怒っていると読みとっているものと,怒っているようにして,たしなめているのだと読みとっているものがある。おしょうさんの他の行動・心情などと関連させて,読み深めなければならない。
(3) にげだして,しばらくいってからの子どもたちの気持ち。
文章には直接表現されていないので,文脈から想像することになる。
<みんなは,ばらばらと にげました。>と書いてある。大声をたてられて,こわくて,夢中で逃げ散ったのである。しばらく逃げていって,四人が集ったとして,何を話したと思うか書いてもらった。(次のぺージ)
【1】〜【15】は,おしようさんに対しての気持ちである。ほとんどが,「こわかった」という読みとりをしている。
【16】〜【20】 またいって見ようと考えているいう読みとりである。叱られてこりごりだという気にはなっていないと見ている。これは,後で,何回もいくことになっているからであろう。
【21】〜【23】 みかんを取る話をしたという読みとりである。
【29】〜【33】も,取ってやろうと考えているという読みである。これは,「つぎの日もまたあつまりました。」とあるので,とる相談をしたに違いないと推測している。どちらかといえば,とらせなかったおしょうさんに,非があるような考え方である。
「とってみようか。」「うん。」いちろうがそっと手をのばしました。―という表現を注意して読めば,どうしても取るのだという気持ではないことがわかるはずである。
【34】〜【36】 読み違っているといえよう。よく,「いやなきもち」と書く子がいるが,よくわからない