研究紀要第29号 学習指導に関する研究 - 074/118page
3 <みかんの木の寺> ワーク・シートによる読み
つぎの 文しょうを よみ 思いうかべたことや考えたことを 書きなさい。
その つぎの 日も,みんなは,また みかんの
木の下に あつまりました。すると,木の えだに ボール紙の ふだが
下がって いました。「みかんを とるな。まだ すっぱいぞ。」
ボール紙には,こう 書いて ありました。「おしょうさんが 書いたのだな。」
みんなは,顔を 見合わせて わらいながら
こそこそと 帰りました。それから,また その つぎの 日に 行くと,
「あと,四・五日だ。まだ とるな。」
と,書いて ありました。そこで,みんなは ほんとうに,四・五日まちま
した。そして,とうとう
「あすまで,おまち。あと一日だ。」
みかんの 木に こんな ふだが かけられた
つぎの 日の ことでした。いちろうたちは,みんなで そろって お寺の
門を はいって いきました。ところが,
「あっ。」
と,みんなは,思わず 声を たてました。みかんが ないのです。
きのうまで,あんなに たくさん なっていた
みかんの みが きょうは もう一つも なく
なって いるのです。@みんなは,どんなことを 考えて,あつまった
と思いますか。
A「みかんを とるな。まだ すっぱいぞ。」と
みじかく 書いて ありますが,このほかに,
おしょうさんは,どんなことを,いいたかったと
思いますか。そうぞうして 書いて ください。
B帰るときの みんなの きもちを そうぞうして
書いて ください。
Cみんなは どんなことを 考えて,四・五日
まったのでしょう。
D「お寺の 門を はいるとき」みんなはどんな
ことを かんがえていたでしょう。
Eみかんが 一つも なく なって いるのを
みたとき,みんなは,どんなことを,思ったで
しょうか。以下は,授業で,ワーク・シートに書き込んでもらったものである。
(1) つぎの日,みんなはどんな気持ちで集まったか。
これは,前日,おしょうさんに叱られてにげ帰ったのに,また,みかんの木の下に集まった子どもたちの気持ちを,どう読みとったかたしかめるものである。「学校へ行く道に」,お寺があったので,帰りに,きょうはどうかなと寄ってみたものであろう。きのうまでのできごと,気持ちをまとめ,「またみかんの木の下にあつまった」ことから,想像して答えることになる。結果は次のようになっている。