【11】〜【13】のように予想して門をはいっていったというのが当然だと思われる。
● 「みかんをとるな。まだすっぱいぞ。」
● 「あと,四,五日だ。まだ とるな。」
● 「あすまで おまち。あと一日だ。」
と,札のことばが変っている。
「みかんをとるな。」 「まだ とるな。」「あすまで おまち」となる。はじめ,強い禁止。次に,すこしやさしく,条件を述べ,最後は,「おまち。」と,やさしくなる。食べさせてもらえると受け取らないのがおかしい。
【2】【3】【6】【7】【17】〜【29】などは,文脈に即して読みなおしさせたいものである。(【22】をのぞく)
みかんが,ひとつもなくなっていると,予想したものは一人もいない。あとの文には,なくなっていたと書いてあるのだが,そのように想像してはいない。そうでなければ,「ひとつもない」,「あった」という意外性のおもしろさは,なくなってしまう。
(6) 「みかんがなかったとき」のみんなの気持ち
E 「みかんがなかったとき」のみんなの気持ち
【8】 へんだな きのうまであんなにいっぱいあったのに |
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これは,問題文の次の行に一郎たちの会話文があり,「気持ち」が述べてある。だから,そこのところを主に,「みんなの気持ち」を答えている。一郎と三次が「だまされた。」と,言っているからか,【2】に,33名と集中している。
他は,「くやしい」「がっかりした」「おこっている」「あてがはずれた」などととらえている。
【9】【10】などは,具体的に,きいてみたい答えである。
ある程度「気持ち」を表すことばがでている場合は,たしかめたり,具体化させることを指導しなければならない。「だまされた」にしても,だれの,どんなことに対し,どのようないきさつで,そう言っているのか,明らかにすべきである。
以上,ワータシートによる【1】〜【6】の問について,二年生なりに,よく答えている。授業での発問などの場合は,挙手して発表するのが,5・6人程度である。しかし,その他の児童も,何かしら読みとリ,心に描いているもののあることが,この調査からわかる。
そのような実態を適確には握し,まず共感し,たしかめ,関連づけ,読みを深めるようにしていきたいものである。また,楽しさや,おもしろさを広げていく配慮もしなければならない。
(7) 個人ごとにまとめてみて
これまで,調査したことを,個人ごとにまとめてみた。
どの子も,「おもしろいところ」は書き出せる。「気持ち」を想像することもできる。国語の評定の低い子でも,童話の読みのような場合には,同じように学習にとりくむことができる。このようなところから,自信を持たせたり,童話や物語を読む楽しみをどの子にも体験させたい。
授業での子どもの反応を具体的に予想することができ,それに即した対策を立てることができる。
また,子どもの発言なども適切に取り上げ,生かすことができるであろう。