研究紀要第29号 学習指導に関する研究 - 096/118page
3) 方 法
@ じゃがいもは皮をむき,3.5×4×0.2pの大きさで4枚で15gになるように切り5群用意する。
A @と同様にじゃがいもを5群つくり,それぞれ1枚を4つ切りとする。
B 小あじの三枚おろしは,15gのもの10枚用意し,そのうち5枚は更に1枚を2つにそぎ切りにする。
C ソースパンに油を 300gずつに分け,コンロにかけ温度計をスタンドにとりつける。
D 揚げ温度は,150℃,160℃,170℃180℃,190℃とし,それぞれの揚げ温度のとき,揚げ油に種を15gずつ入れて30秒ごとの温度変化を読みとり3分間揚げる。
同様にして小さく切った方も実験する。
4) 実験結果と考察
図1の実線の方は,じゃがいもを3.5×4×0.2pのもの4枚を各温度毎に入れて揚げ30秒毎に温度変化を測定したものであるが,各温度ともに1分30秒までは温度が下がり続けて各投入温度より10〜12℃低下している。その後,徐々に温度が上昇し,3分までには,投入時との差は3〜8℃となっている。このような温度低下は,じゃがいもの温度が低いことと,じゃがいもの水分79.5%が蒸発するために気化熱が奪われて油の温度が下がるのである。170〜180℃の温度で揚げたものは焦げ色もきれいでからりとしているが,150〜160℃のものは焦げの風味が少なく,油ぎれも悪い。
火加減や揚げる材料の分量の加減によって適温を保つようにするとともに,適量入れたら途中で新しい材料を入れないようにしたい。
図1の破線の方は,実線の方のじゃがいもをそれぞれ4等分したものを各温度毎に入れて揚げたものである。大切りのものにくらべて温度低下が著しく,1分30秒で11〜15℃低下している。これは表面積が増大したためであり,同重量でも切り方によりこのような変化のあることに気をつけさせたい。
図2の実線の方は,あじを3枚におろしたものを15gに切り各温度毎に入れ図1と同様に温度変化を測定したものである。各温度ともに1分30秒まで下がり続けるが,じゃがいもにくらべて下がり方がゆるやかで3℃前後である。3分後までには,ほとんど投入時の