研究紀要第29号 学習指導に関する研究 - 097/118page

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温度に上昇している。これはあじがじゃがいもにくらべて水分量が少なく,脂肪分が3.5%含まれることが原因と思われる。
 図2の破線の方は,あじ15gを更に2つにそぎ切りにしたものを実線同様に揚げ温度変化を測定したものであるが,そぎ切りにして表面積が大になったため1分30秒の時の温度低下は6%前後と大切りにくらべて多くなっている。

(2) 揚げ油の疲れと泡延距離の関係

 油は揚げ物などに使用される回数が増すにつれてその質は変化し,揚げ製品の味や成績が悪くなってくる。油が新鮮な間は種を入れた時には大きい泡が種物の周囲のみにでき,種物を取り出すと泡は直ちに消える。長時間の加熱で油の劣化してくると種物を入れた時に細い泡が油の表面の広い範囲に広がる。したがってこの泡延距離を測定して油の劣化の判定をし,使用限界を判断することができる。

1) 試 料
 @ 新鮮油 (大豆油)
 A じゃがいもを揚げた油
  (1)の揚げ油の温度変化実験に用いた油を室内に6ヵ月保存したもの。
 B あじを揚げた油
  (1)の揚げ油の温度変化実験に用いた油を室内に6ヵ月保存したもの。

2) 用 具
 フライパン(直径24p,高さ5p,ステンレス製) 電気コンロ(300W〜600W切りかえ)温度計,スタンド,ノギス,ストップウォッチ

3) 方 法
 @ フライパンに揚げ油 400c.c.入れ,180℃に加熱し,2×2p,厚さ3oのじゃがいもを投入し,じゃがいもの周囲より連続的に発生する泡の距離をノギスで測定する。
 A 泡延距離の測定

図3
図3

(A:じゃがいも)

 じゃがいもの中心を基点とし両端より連続的に発生する泡延距離の直径を測る。泡延距離の中にはじゃがいもの20oの長さも入っている。じゃがいもを投入し,その発泡状態を観察すると,投入後30秒までは,じゃがいもの中の水分の影響により発泡にむらがあり,測定しがたく,1分後には泡がほぼ一定になる。その時の泡延距離をノギスで測定する。

4)実験結果と考察

図4.揚げ油の疲れと泡延距離
図4

写真1・2

 図4は新しい大豆油を40時間加熱して,泡延距離を測定したものであるが,0時間のものは(油鍋を火にかけ180℃になったらすぐ測定したもの)写真1のように,じゃがいものまわりにわずかにきれいな泡が立つだけで,測定値も25.7oである。15時


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