研究紀要第29号 学習指導に関する研究 - 099/118page

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3) 実験結果と考察

図6 保存場所と過酸化物価の関係
図6

 調理前の新鮮油の過酸化物価は2である。
じゃがいもを揚げた油の冷蔵庫保存のものは,1ヵ月で2.6,2ヵ月でも3.2と酸化の進み方がゆるやかである。あじを揚げた油の冷蔵庫保存のものは,2週間まではゆるやかであるが,1ヵ月で7.3,2ヵ月で16.7と高い値を示している。これは,あじのたんぱく質や脂肪などの溶出物が影響を与えているものと思われる。室内保存のものは1週間後は酸化の進み方が速く,2週間では安全圏外になる。油は低温で保存するのが望ましい。

(イ) TBA法による酸敗度の測定
 チォバルビッール酸は,脂肪酸の酸化生成物であるマロンアルデヒドの反応で赤色色素をつくる。この発色の強さを比色定量して酸敗の程度を知ることができる。

1) 試 料
(ア)の過酸化物価の測定に使用したものと同じもの。
2) 用 具
 ホモジナイザー,遠心分離機,遠沈管,比色計
3) TBA法
 @ 油脂2c.c.に水20c.c.を加え,ホモジナイザーで2分間かくはんする。この混合液のうち,5c.c.を50c.c.の遠心管に入れ,これに20%トリクロル醋酸/2Mリン酸溶液の5c.c.および0.01M2−チオバルビッール酸100c.c.を加え,沸とう中で1時間加熱する。その後,直ちに取り出し氷バスに10分間つける。(氷バスにつける時は,遠沈管のふたをとる)
 A この時,TBA反応がピンクに呈色するので,2:1イソアミルアルコールピリジンを15c.c.加え,2分間振り,2400回/分で15分間遠沈して,この色染を抽出する。
 B この発色した溶液5c.c.を比色計用の試験管に移し,530mμで比色する。
 C 試料を加えないものについて,同一条件で操作を行ない,これを比色定量の際の基準とする。
4) 実験結果と考察

 図7.保存場所とTBA値の関係
図7

 冷蔵庫保存の方がTBA値が底く,酸敗の進み具合がゆるやかである。
 お茶の水女子大学の吉松藤子先生は,揚げ油を用いてフレンチソースを作り,刻みキャベツを和えて官能試験を行なったとこ


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