研究紀要第29号 学習指導に関する研究 - 105/118page

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がる。てんぷらの場合は,まるまるようでは具合が悪いので,それを防ぐには,体軸に対して直角になるように切り込みを入れるとよい。その他に切り目を入れる目的は,写真6で見られるようにいかの皮は4枚あるが,そのうち表面の2枚はむくことが容易であるが,内側の2枚はむくことがむずかしい。このままでてんぷらにした場合,油をはねとばす危険があるから,表面に切り目を入れそれを防ぐのである。

写真8.形の変化
写真8

写真8の右側のa5は4層の皮と内側の皮をむいてa3と同様に加熱したものであるがほとんど形は変らない。

図10 いか肉の加熱による重量減少率
図10

図11 いか肉の加熱による縮少率
図11

 いか肉の加熱後の重量減少率は,70℃までは4〜6%であるが,90℃になると8〜10%と高くなり,更に加熱時間が長くなると脱水が多く重量が減少する。(図10) いか肉の加熱後の長さの縮少率は,aで見ると縦の繊維が70℃,20秒で17.5%,90℃,20秒で22.5%,更に90℃で60秒と時間を長くすると27.5%と縮少率が高い。それにくらべると横の筋繊維の方は縮少率が少ない。

豚肉の場合

(1) 豚肉の組織

1) 筋繊維
 豚肉の場合,てんぷらとして用いることはほとんどないが,ポークカツレツ,ポークソテーなどとして使われる。筋繊維の性質を知って正しく扱わないと固くて食べにくい状態になるので,いかと同様にプレパラードを用いて検討することにしたい。
 今回の試料は豚のロースを用い,凍結切片の製作方法を用い,凍結はアセトン・ドライアイス法によった。染色法はいかと同様である。

写真9.筋肉の横断面  ×100
写真9

 食用として用いられているところは,ほとんど横紋筋からなる部分である。写真9の筋肉の横断面でみられるように,横紋筋


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