研究紀要第31号 児童・生徒の学習能力の発達と授業に関する研究 - 003/043page
B 指導の観点
ア 構成能力を次のようにとらえる。
○ 主題を適切にきめる。
○ 文章を適切に構成する。
・書き出しと結びを決める
・順序立てる。(構成メモにまとめる)
○ 材料を適切に選ぶ
○ 段落を明確に示す
・ 段落の長さを適切にくぎる
・ 一つの段落に一つの題材(話題)を表現する
・ 中心文をわかりやすいところにおく
・ 段落の統一に留意する
・ 段落の緊密さに留意する
○ 文を適切に構成する。
その他,語句,文字などの適切な使用も考えられる。
イ 配慮すること
3年生としての実態から,次のような点に配慮していく。
○ 順序立てて書く力をのばすこと。構成メモの初歩的指導をする。
特に,一つの段落に一つの題材(話題・事柄)を書くようにする。
○ 手紙文を取り上げるので,はじめ(はじめのあいさつ,なか(用件−知らせること,お願い,お礼,たずねることなど),おわり(おわりのあいさつ)の,基本的な構成をどの子にも分からせる。
○ 相手をよく考え,分かりやすく,しかも,自然に語りかけるように書かせる。
○ 段落を構成する力をつけることに主眼をおく。
(4) 指導計画(9時間扱い)
@ 相手を決めて手紙を書く
○ 本時に手紙を書くことは,前もって話しておく。だれに書くか,どんなことを書くかなどについて,3分程度話し合い,すぐ書く活動に入る。机間巡視により,書き進められない児童などに助言する。また質問があればヒ
ントを与える。大部分の児童は,一気に書き進めるだろう。時間内に終わらない児童には休み時間にでも書き上げさせたい。
A 書き方についての困難点を話し合い,学習の目標を立てる。
○ 手紙を書いていて,どんなところがむずかしかったか調べる。漢字がわからなくて困る。書くことが思い出せない,まとまらないなどがでるだろう。構成の問題や,書式のことなどはあまり出ないだろう。
○ 単元名から,整えて書くとはどんなことか考えさせる。「大事なことを落とさないこと」「組み立てを分りやすくすること」「じゅんじょよく書くこと」などについて話し合う。
○ 教科書により,整えて書くにはどうすればよいかを学習し,前に書いた手紙を直していくことを知らせ,学習計画(順序・内容)を立てる。
○ 新出漢字(11字) 読み替え漢字(7字)の学習。
B 手紙文における「書くことを整えて書く」ことの重要さを読み取る。
○手紙には,書く用件により,いろいろなものがあることを読み取らせ,また,その必要性について話し合わせる。
○どの手紙にも相手に伝えなければならない大事なことがあることをわからせる。教材の例文を読む。
C 封書やはがきにおける用件の展開の仕方や書式について理解する。
○ 「みつ子おねえさんへ」を読んで,どんな内容をどんな書式で書いているか,話し合う。
○ 後付けの書き方を練習する。
○ 「友だちの正一君へ」を読み,はがきの書き進め方について理解する。
D 教材文で学んだことをもとに、最初に書いた手紙を書き直すため,組み立てをつくる。(本時)
E構成メモをもとに,書き改める。
○ 前時に作ったメモをもとに手紙を書く。な