研究紀要第31号 児童・生徒の学習能力の発達と授業に関する研究 - 007/043page

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うということだね。(T・P)
(板書しながら)
自分の手紙が,ととのっているかな。
 C10 ととのっていません。
 C11 だいたいととのっている。
 C12 ととのっている。
T21 ほんとに,ととのっている?
 C13 半分。半分ととのっているかな。

 

T22 それではね。最初に手紙をみて,これをみなで見て,どんなところを直したらよいか考えてもらってみましょう。だれの手紙だなんていわなくてもいいよね。(T・P)
T23 字が小さいですか。
 C0 小さい。小さいなあ。ちっちゃい。
 C0 口々に読む。だれの字。
T24 字は先生の。
C0 へえー。
 T25 写させてもらったの。
 C0 読む。(小さい声を出す)(多くの子)
T26 中沢さんのところ,見える?読める?
ちょっと読んでみてください。
 C14 はい。大沼さんお元気ですか。私は元気です。……(1分40秒)ゆっくり正確に読む。
T27 はい。番号つけてみるね。(番号をつける)それではね。これをどう直したらよいか,とつ考えてみましょう。
最初,こんどは大きくします。(@の部分のみ大きく写す)

 

T28 これ,@のところね。さっきの,@のところ。これは,どこか直すところありますか。
 C0 何もないみたい。ない。(多くの子)
T29 ないですか,なければ,直すところない,いいですから,ではね。これと同じ紙,さきほどみんなにくばりましたね。
 C0 はい。(多くの子)
(黒板に組み立ての用紙をはる)
T30 いいですか。いまのはどこですか。この中で

 ここで,小林のノートを写し(手紙を書くとき大事なこと気をつけること−前の表のわく中と同じ)を確認している。
 この分節の終わりの方は,これから調べることへの関心を高めようとしている部分であるが,一部の子たちが,よく自分の手紙を吟味せず,軽く答えているのがわかる。

友だちの手紙をもとに,全員で,どこをどう書き直したらよいか考える。
全文をまずとらえさせている。

@ 大沼さん,お元気ですか。わたしは元気です。大沼さんが北海道に転校していってから,三か月すぎました。
A はじめに三小の様子を知らせます。九月の三十日に,球ぎ大会がありました。三年生は,ドッジボールをしました。女はぜんぶのしあいに負けてしまいました。とてもくやしかったです。でも男ががんばったので,一組は二位になりました。それから,十月一日の学級会で,係をきめました。わたしは,給食係になりました。大沼さんは,そちらの学校で,何の係になりましたか。
B 九月二十七日は遠足でした。はじめに,おろしうり市場を見学し,それから,りょうぜん子どもの村に行きました。りょうぜん子どもの村には,遊ぶところがたくさんあって,とてもおもしろかったです。とくにたのしかったのは,大きなすべり台でした。
C 友だちとなんどもすべりました。
D 先生も,みんなといっしょにすべりました。
E 大沼さん,そちらのすみごこちはどうですか。どんなところにすんでいるのか,教えてください。それから,学校の様子も知らせてくださいね。大沼さんに,また会えるといいな,と思います。
F 谷上君と,高野さんが転校しました。でも,わくいけい子さんという人がきました。とてもやさしい人です。
G ではからだに気をつけてください。さようなら。
   大沼さんへ
     ○○より

 「これをどう直したらよいか」という問に対し子どもたち全部,「はて」と,しばらく沈黙。

部分ごとに,直すところを考える。
@の部分を大きく写し出す。やっと,考えていいこうという態度がでてくる。

@ 大沼さん,お元気ですか。わたしは元気です。
大沼さんが北海道に転校していってから,三か月すぎましたね。

この書き出しは,特に直すべきところがないということである。教師の予想も,そうであったこ

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