研究紀要第31号 児童・生徒の学習能力の発達と授業に関する研究 - 014/043page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

かえて書いている,ということだったです。

T91 そのつぎの人の,見てみますか。
これは,保住さんのか。保住さん,大きな声で今のように発表して……。(T・P)
C59 はい。相手,高野さん。
はじめのあいさつ。つけたす。
知らせること。
遠足で,中央おろしうり市場と,りょうぜん子どもの村に行ったこと。球技大会で1組が2位になったこと。係をとりかえたこと。
T92 たずねることね。
C60 今,何係でどんなようすか。楽しかった愛校日作業のこと。終りのあいさつ。つけ足す。日付け,正しく書く。
T93 はい。なるほどね。あきら君も大変よく書けていたけれど,保住さんの書き方を見ると,ここに,あの,〈遠足のこと〉とだけ書かないで〈遠足で中央おろし売り市場,それからりょうぜん子どもの村にいったこと〉,というふうに,すこしくわしく書いてあるね。そうすると,書く時に,おろし売り市場にいったことも,りょうぜん子どもの村にいったことも忘れないで書けるんじゃないかな。それから,〈球技大会のこと〉と書かないで,球技大会で,1組は2位になったことと書いておけば,女は負けたけれども,男は頑張って2位になったことなど,落さないで書いておけるよね。だから,係をとりかえたことも,「わたしは,何々係になった」ということをちょっと書いておくと,書くときに苦労しないかも知れないよ。ね。

 

T94 もうひとりみてみよう。(T・P)
えーと,これは塩田君。はい。読んでみてください。
C61 はい。だれに書くか。相手,ともちゃん,たかちゃん。はじめのあいさつ,つけたす。
係のこと,係をかえたこと。

書き直すところの発表A
はじめの手紙に比べ,構成が次のように変わっている。つけ足して,くわしく書こうとしているのが目につく。つけ足されているのは,・りょうぜん子どもの村に行ったこと,・たずねること,・愛校作業日の楽しかったこと,・あいさつ,・日付けなどである。
手紙を書く組み立て

この子のはじめの手紙と書き直した手紙を比較してみる。内容も豊富になっている。

はじめての手紙
1.あいさつと遠足のこと(70字)
2.友だちのこと(105字)
3.球技大会のこと(115字)
4.係のこと(102字)
5.あとづけ
計329字
書き直した手紙
1.あいさつ(71字)
2.遠足のこと(184字)
3.球技大会(205字)
4.係のこと(148字)
5.思い出(145字)
6.たずねること(32字)
7.あいさつ(17字)
8.あとづけ
計802字

書き直すところの発表Bと,次時学習について
組み立て表の書き方としては,もっともくわしい例である。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。
福島県教育センターの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。