研究紀要第31号 児童・生徒の学習能力の発達と授業に関する研究 - 019/043page

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こし,くわしい,具体的表現にするよう指導をすべきかどうか。むずかしいところである。
 子どもは,一見何でもないところにつまずいたりするものであるが,それなりの子どどの論理にうらずけされているので,大切にしたい。また,教師の意図とズレたり,停滞したりした部分を分析していくことは大事であると思う。

(3) 評価について

@ 授業過程における評価

授業過程における評価は,目標(ステップごとのねらいもふくめ)〜のフィードバックのためのものである。この授業では,分節,分節,分節において,特に意識されている。
 分節では,「推考の観点をとらえたか」たしかめようとしている。これは,次の学習の準備でもある。具体的に,このことと,このことが答えられるかどうかたしかめていっている。この子が正しく答えられれば,他の子らもわかっていると推定したり,子どもたちの様子を観察して理解程度を知ろうとしているわけである。

 分節では,「書き直すところをみつけることができたかどうか」たしかめようとしている。これを,(手紙への書きこみなど)で,とらえようとしている。授業では,手紙への書きこみはすくなかった。これは机問を巡視してとらえていた。なお,ここでの留意点として,「構想を立てることに無理がある児童には,初めの手紙に直接書き直すところを書きこませる。」と,あげているが,メモ用紙への記入でよいという判断があったものと思われる。(子どもの様子をみての)

 分節では,分節(実際にはひとつづき)で,児童の作成したメモについて評価している。
この場合は,すでに机間巡視してたしかめ,ひとりひとりに即して指導しながら,全体的に留意させたいことをとりあげている。子どもたちのメモを三つのタイプに分け,その代表的なものを発表させている。それによって,各自が,自己のメモについて,再吟味しているわけである。
 はじめに,簡単なメモ(書式などをつけ加えただけのもの)を発表させている。つぎに,一部くわしくしたものを発表させ,最後に,くわしく,具体的なことまでつけ足したものを発表させ,その方向に持っていこうとしている。0.H・Pで,投影しているので,大変わかりやすく,子どもたちがしきりにうなずいていた。

 本時のねらいは,具体目標として
ア 推考の観点をたしかめること

イ どこを書き直したらよいかみつけること

ウ 文章を組み立てること(組み立て表に書く)
の三つをあげている。これに即して,分節では前提としての観点を,分節では,がどう生かされているか,書き直すところが多いかどうか,たしかめられ,では,のまとめとして,構想の立て直しが,どう行れているかたしかめ,指導しているわけである。

 そして,アの具体的ななかみ,つまり,
・段落ごとにまとめて書く力はどうか
・段落の順序はどうか
・大事なことが落ちていないか
・相手に即した書き方をしているか
・書式はどうか
などが,ウの評価項目になっている。しかしこれらは,構想段階だけでなく,最後の手紙として,書きあげられたものがどうであるか,吟味して指導の手が加えられなければならない。

A 手紙(作品)について

この単元の指導にあたって,最初に手紙を書いている。この時は,自由に書かせている。これと学習終了後の手紙について,8項目とりあげ,考察してみる。
ア ことがら
分節の終わりに,「もっといい手紙を書きます。そのために………つけ足すことがあったら,足しておくように」という指導がある。もっと内容を多くしたいというねらいがあったわけである。
これを受けて,ほとんどの子が,1つから2つ,伝えることがらをふやしている。そのため,字数が多くなり,内容も豊かになっている。教師のちょっとしたことばでも,子どもたちは応じようと


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